千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております。
2018.12
11月3日に鹿児島で大学の同窓会がありました。入学後39年目の同窓会です。実は入学時には80名だったんですが、卒 業時は55名で、「卒業」とすると25人が抜け落ちてしまうん で、「入学39年」と言う変なくくりになっています。(笑)
千 葉に住んでいる私がなぜか幹事をやっています。 大学の同級生には今話題の多数年浪人が多く、最高齢が70歳 なんです。40年前の入学時には18歳から29歳まで揃っていまし た。干支も1周していたし。(笑)
29歳の男性は文系の大学を卒 業して、その後トランペットでバンドマンをやり、さらにその後数年浪人して歯学部に入りました。 学年的には11浪です。彼は意外と若く見えました。その頃あった航空運賃半額の「スカイメイト」を 取得するために、実年齢18歳で早生まれの老けた顔の同級生(私と釣りに行っていた男)と一緒に ANAの鹿児島支店に行き、10歳若く書き換えた学生証(偽造)を使ってスカイメイトをゲットしま した。他にも10浪相当の人が2人、9浪も2人、それ以下も複数いました。10浪の一人は70年 安保で学生運動を盛んにやっていたそうで、結局は某国立大学法学部の教授とケンカして中退し、長 く浪人生活していました。彼の部屋には「みすず書房」の本がたくさんありました。一番良く話を した同級生かもしれません。いろんな意味で知識人でした。思想的にはすでに左翼じゃなく、今 じゃ地方の歯科医師会長です。ホントに田舎の患者さんに愛されています。もう一人の10浪は有名 国立大学の工学部原子力工学科卒。昔の超エリートです。とっても味のある人です。9浪の一人は某 国立大学工学部卒で数年間3Mの営業をしていました。人当たりの良い、年長者然とした「開業医は 斯くあるべし!」という感じ。6浪の人は超有名国立大理学部数学科卒。数学の授業の解説をして もらっていました。なぜか、けっこうエリートっぽい人が多かったです。(笑)
全国の有名私立高校 出身者が多く、灘高校はいませんでしたが、鹿児島ラ・サールが2人いました。今では東京の開成 高校の方が有名ですが、当時はラ・サールとほぼ同じレベルでした。一人は2浪。医学部に入った 元同級生から「あいつは昔(高校時代)はすごく成績良かった」と言われていました。彼と話をし て「さすがラ・サール!」と思ったことが何度かあります。彼はその当時売りに出された蛍光管が横 に二重になったタイプと従来の縦並び2本のタイプとの光量がどれぐらい違うかを数値を伴って説明 してくれました。ほとんどどうでもいい話なんですけど。(笑)
もう一人、5浪の人はラ・サール高 校の同級生から「よく卒業した!」といわれたほど問題児だったそうです。彼は大学の教養から専 門に上がるときにドイツ語の単位を落として、後輩になってしまいましたが、高校時代はグリー部 (男声合唱)だったそうで、ベートーベンの第九合唱を原語のドイツ語で歌えました。意味はわからなくても頭が良いから丸暗記できるんでしょう。無駄にすごいです。残念ながらすでに他界した友 人は7浪でした。魚釣りを一緒に行っていた年長者の方です。その7浪男はみんなからスーパーマン と呼ばれるほどいろいろなことを精力的にこなしていました。鹿児島大学の茶道 部の部長をやり、朝まで釣りをやり、車もぶっ飛ばす系で、かなり見事な人でし た。卒後長崎大学に行き、そこの助教授とホントは入ってはいけない知床半島で 学術研究と称して魚釣りをしていました。開業したあとも歯科医師会関係の仕事 を頑張って、夜の宴会も頑張りすぎて肝臓を壊し、若くして死んでしまいまし た。屋久島に釣りに行った仲間は二人死んでしまいましたね。
今、医学部入試で女子学生や複数年浪人を排除していたことが明らかになり、 社会問題となっています。大学側からすると「長期に持続して仕事をするから若 くて男性が良い」のでしょう。私の同級生の女性は13/80でしたが、留年者 はおらず13/55で卒業して、大半が現役で仕事をしています。我々の同期で 一番若い男(スカイメイトの)はすでに他界しました。最高齢は70歳ですが、 現役で仕事しています。多浪の人々もまだ働いています。今の医学部受験では4 浪以上は非常に不利なんだそうです。現役で入学して18歳、4浪で22歳。こ の年齢差に意味があるのか非常に疑問です。それよりも同級生に自分よりも年 上の人がいて、ほとんど分け隔て無く付き合うチャンスなどなかなか得られる モノではありません。薄っぺらい多浪生もいるでしょうが、やはり何度も不合 格を経験したり、サラリーマンを経験し、再度受験した人間にはそれなりに味 わいがあります。ひがみ半分ですが、現役で難関医学部に合格した医者はやは り尊大なような気がします。単に頭が柔らかく記憶力が優れていることが大事 なら医療データを蓄積したAI(人工知能)の方が遙かに優秀です。誤診率が低 い医者が良いならAIに限ります。いくつかのチェック項目を入力し、客観的な データを入力すれば世界で一番正解に近い診断をしてくれます。医学部の教授 達が考えている「理想の医者」はどういう人間なんでしょう?若くて、頭が柔 らかくて、体力があって、言うことをきいて、結婚退職や育児休暇を取ら ず、・・・。ロボットですね。(笑)
ペッパーくん?ああ、Dr.ペッパーね。
その昔、歯医者を開業したてのころは歯周病ばかりに目が行っていました。歯周病の治療はプ ラークを赤く染めて、歯ブラシ指導からです。「先生、虫歯無いならOK!歯槽膿漏なんかどうでも いいから。」と言われ、毎日嫌われながら口の中を赤く染めていました。29年前、歯周病なんか を治療する時代じゃなく、真っ赤に染まったプラークがいっぱいの「ブ ルーオーシャン」でした。誰も参入しないから見事にブルーオーシャン。 キレイな青い海は透明度は高いけど栄養のない海。赤く染めても保険では 再診料だけ、ぜんぜん儲かりませんでした。それでも歯周病で歯のなく なった人に自費のコーヌスクローネやインプラントをやり始めました。イ ンプラントも当初はブルーオーシャンでしたが、一気に新規参入があり、 今じゃほとんどレッドオーシャン状態。しかし、歯周病の治療もいい加減なままインプラントを入 れるから、悲惨な口腔内の患者さんが今でもいっぱいいます。ウチは歯周病専門医だからそういう 患者の「難民受け入れ所」みたいな時期もありました。しかし、そういう患者はキレイになっても マジメに定期検診に来ることはありません。痛い思いをしているはずなのに、全く懲りない。簡単 に人間は変わりません。(笑)
入れ歯を長く使ってきた人にインプラントを入れるとそれまでと噛み合わせが変わってしまいま す。その事に気付いて、噛み合わせの勉強をはじめたのが14年前。「歯医者なら噛み合わせなんて わかっているだろう!」と言われるかもしれませんが、今も昔も歯科大学ではほとんど教育していません。なぜ?って。咬合に関する理論がないからです。仮説はありましたが、それはまちがってい ました。日本だけの問題じゃありません。アメリカの噛み合わせ系学会では「噛み合わせと顎関節 症は無関係」と公言しています。いろいろと大人の事情があるようですが、ハッキリしません。結局 は投薬治療が中心で、心療内科の患者さんを大量に産み出しています。以前に書いた大分の母親は最 強の痛み止め薬でほとんど廃人になりそうになりました。噛み合わせの世界は暗黒のブルーオー シャン。(笑)
「おまえは噛み合わせの話をよくするけど、それって、ウソ?ホント?」と思ってい る方も多いでしょう。そのとおりです。ウソかもしれないし、ホントかもしれません。誰もホント のことがわかっていません。私(所属するICCMO学会も)が信じているのは「筋肉」です。うちに あるK-7という咬合診断器は筋肉を基準に噛み合わせ位置を決めていきます。低周波マッサージ器を 60分使って、顎の筋肉がリラックスできた状態の噛み合 わせ位置を記録します。その位置を咬合器上に再現し、プ ラスチックの入れ歯を作り、それを入れて生活してもらい ます。それでいろいろな症状が改善したら、当たり! 2004年から使い始めて、14年と長く時間はかかりまし たが、ようやくその辺りが理解できるようになりました。 福岡にMEAW法で矯正治療をする先生がいて、彼がK-7 を使いながら歯列矯正で咬合治療をするんです。これを習 いに行き始めたのが2015年。彼がK-7を使う理由は自分が治した患者さんが本当に正しい噛み合わ せになっているかを確認したかったから。MEAWでの矯正治療が先でK-7は後でした。私は逆。今 までやってきた抜歯矯正では上手く噛み合わせを作ることができないんじゃないかと思い始めてい た頃に、MEAWを知りました。その後、2016年から顎顔面矯正を習い始めて、今までいろいろと悩 んでいたことが一気に氷解しました。
人間はある日突然歯列不正になるわけ じゃありません。オギャー!と生まれてから鼻で呼吸をし、口で正しくオッ パイを飲めば上顎は大きくなりますが、いろいろな原因が作用して上顎が狭 いままになることがあります。その狭い上顎に、本来正しく成長したらピッ タリのサイズの大人の歯が生えてくるので、空間が不足してしまいガタガタ の前歯になります。上顎が狭いから下の歯並びもガタガタになります。見た 目がけっこうキレイでも、位置が多少ずれている程度で大きな問題を引き起 こす場合があることもわかってきました。上下の歯の早期接触は虫歯を引き 起こします。生えて間もないエナメル質にはヒビが入りやすく、それを足が かりに虫歯が進み、10代ですでに神経を取らなくてはいけないほどの虫歯に なります。歯周病専門医という肩書きのおかげで口腔内写真を保存していま す。写真を時系列で眺めてみると、マジメに定期検診に来てくれているのに徐々に歯が失われていく 患者さんがいます。いつのまにか奥歯が割れて抜歯になり、インプラントになります。営業的には〇 ですが、私の中には?が生まれています。長い間大量に貯まっていた「?」に対し、ここ数年の進化 で遂にその答えを見つけてしまいました。歯並びが悪いのを見た目だけ治しても全く解決になりませ ん。「問題」の捌け口を変えるだけです。「問題」そのものを無くさなくてはいけません。
「問 題」って何?噛み合う歯の位置関係を正しく、あるいは望ましくしなければ常に「問題」を抱え続 けることになります。歯を壊して抜歯を繰り返せば、抜けた部分にインプラントを入れ続けなくては いけないことになります。「問題」とは「正しい噛み合わせではないこと」です。じゃあ、正しい噛 み合わせを与えるにはどうしたら良いのでしょう?もしも小学生なら、即座に顎顔面矯正すること です。大人の場合は、今生えている歯を全部削って新しい噛み合わせを持った冠を28本被せる。ま たは小臼歯を抜歯せずに矯正治療をするんです。それがMEAW法による矯正治療です。今、ウチで
はキレイな歯並びをした患者さんの矯正治療をやっています。見た目はキレイな歯並びの人に全く審美的じゃない針金(MEAW)を入れるんです。(笑)
これは噛み合わせ が悪いことによる機能障害を改善するための歯列矯正です。実はこの世 界のほとんどの人(8割以上じゃないかと思うんですけど)が「問題」を 持っているのにそれに気づきもせず、さらに歯医者の誰もがその存在も知 らないから、誰も手を出そうとしない領域です。ウチの歯科医院の場 合、私も含め従業員全員が「問題」を持っています。当然ながら大半の 歯医者もその問題を持っているけど気付いていない。遂に完全な「ブ ルーオーシャン」を発見しました。でも、患者さんや周りの人には「問 で短時間で終了できます 題」が見えませんから、それが治療対象であることを理解してもらうの が大変です。「透明な絵の具で描いた餅」です。(笑)
自分で「問題」に 気付いた幸せな患者さん、私の説明で「問題」を理解できた方にだけ可 視化(K-7による検査)してあげます。自費(5万円+税)ですけど。