お元気ですか？あっという間に一年の半分が終わってしまいました。歳を取る
と時の流れが早くなるとは言いますが、年々その傾向が強くなるように感じます。
きっと、みなさんも同じだろうと信じていますが・・。
「ひとこと」を始めて１年半が経ちました。３ヶ月に１回なのに文章を捻り出
すのが大変です。小中高と国語の成績がクラスの下の下の方であった私がこれだ
けの長さの文章を書き上げることができるようになったのは奇跡です。
この「ひとこと」にお褒めの言葉を頂きました。なんだか国語のテストで100点を取ったみたいな気分
です。ありがとうございます。なんとか頑張って続けていきたいと思います。
第一回目に「噛み合わせ」を診断する機械の話をしました。その機械の考え方は、下顎の動きを上下
の歯の「噛み合い方」ではなく、リラックスした状態のアゴの筋肉に主導権を持たせる考え方（ニュー
ロマスキュラーセオリー）です。１年半前はまだまだその機械を使いこなすことができず、なかなか結
果がでませんでした。最初から難症例に取り組んだり（歯科医である家内の治療）、ただの運動不足か
ら来る肩こりを治そうとしたり、腰や骨盤の方から来る問題との区別がつかずにしんどい思いをしまし
た。でも私以上に患者さんの方がしんどい思いをしたと思います。本当に御協力ありがとうございまし
た。3時間ほど拘束されて「よくわからん」じゃねぇ。まあ、高額な機械による低周波マッサージを受
けたと思って勘弁してください。（笑）
この機械を使えば夢のように「スッキリ」と症状がとれて、「ハッキリ」と診断がつくならばきっと
もっと普及しているでしょう。日本でもけっこう歴史があるのに、普及しないのはその辺に難しさがあ
るんですよね。使いこなせる歯医者が日本に何人いるのかよくわかりませんが、多くはないでしょう。
しかし、噛み合わせの問題で悩んでいる患者さんは多いようです。
おかげさまで私も混沌とした中におぼろげながら気配のようなモノを感じることができるようになり
ました。前回この内容について書いたときには「更年期障害」に関係するかもしれないと書いたのです
が、私のところには現在そういう患者さんはいません。それよりも圧倒的な頻度で「頭痛」持ちがあら
われます。もうホントに「神様からの試練」のように次々と現れます。皆さんMRIで診断して「正常」
な方ばかりです。一番ひどい人は二日連続でMRIを撮ってもらったそうです。その人は意外にも身近な
人だったのでちょっと笑ってしまいました。さらに深く考えてしまうのが、うちの長男にも問題があり
そうなことです。家内の息子（私の息子でもありますが）なので、充分に可能性があります。真実を知
るのが怖くてまだ調べていません（笑）。彼は中学に入る頃に急に視力が落ちました。全く勉強せず、
テレビゲームばかりしていますから、最初はそれが原因と思っていました。横から見ると頸椎が前傾し
て、猫背です。現在高校一年になり、成長はすでに止まりつつあります。でも視力はどんどん悪くなっ
ていきます。歯並びは非常にきれいで表彰されました。常識では全く歯科医院に縁のない人種です。
「ニューロマスキュラーの世界」の教科書を見てみると正常咬合（きれいな歯並び）の人で40％程度に
「アゴずれ」から来る症状のある人がいるそうです。これは成人になってから歯列矯正をした人（見た
目には歯並びがきれいな人）が、2年ぐらいすると頭痛などの症状を訴える人が少なからず出てくるの
を思えばそんなモノかなと納得できます。
私も「頭痛」とかそういう時間ばかり掛かって全く収入にならない病気は困ります（笑）。ましてや、
歯科医と頭痛は関係ないことになっているので、厚生労働省から呼び出しを食う可能性もあります。
MRIがあれば撮影だけでかなりの収入になりますし、ましてや結果は「正常」なのでその後の「治療」
は必要ありませんから、楽勝です。「わからない」ことがこれほどラッキーな状況を生みだし、一方で
「わかっている」ことがこれほど苦しい状況を生み出すとは・・・。アメリカ西海岸でこの機械を専門
に使って治療する先生は「噛み合わせの治療」だけで８０万円です。それでも全米から患者が飛行機に
乗ってやってくるようです。さらに虫歯の治療費は別ですから・・・。
まあ、愚痴を言っていてもしょうがないので、ちょっと面白いモノの話を。アメリカのFDAの認可を
受けた「頭痛」のための装置があります。プラスチックの小片を上の前歯に付けるだけのものです。実
際に使っていないので詳しくは分かりませんが、時間も短時間で済みそうですので、MRIを「正常」で
クリアした頭痛持ちの方には良いと思います。これは噛み合わせを変更することがありませんので、悩
みが頭痛だけの方にお薦めと言えそうです。自費治療ですので3万円ぐらいのようです。でも、小さいか
らすぐになくしそうですけど・・・。
ただし、これはニューロマスキュラーセオリーとは無関係で診査なしです。
国際顎頭蓋機能学会（ICCMO) http://www.iccmo-jp.org/home.html
かとう歯科 院長 加藤昭浩
