インプラントの話・千葉県千葉市美浜区稲毛海岸(稲毛)の歯科医・歯医者

かとう歯科ニュースレター Vol.9

2007.8

急に暑くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか? いきなりですが、質問です。 「お好み焼きを食べながら御飯を一緒に食べる？」 Yesの人。あなたの御出身は大阪ですか？ 「ラーメンと一緒に御飯を食べるのが普通・・？」 YESの人。あなたは絶対に鹿児島人でしょ。 「刺身をおかずに御飯を食べることに違和感のある人・・」 YESの人。博多んもんやなかと？

　鹿児島に８年いて大阪人と博多人と食事をする機会の多かった千葉の男性と、九州北部地方出身で鹿児 島に６年生活した女性が結婚したのがウチの夫婦です。幸か不幸か、味の傾向は似ているので海外の料理 （洋、中華）を家庭で作る場合は問題が起きませんでした。しかし、和食となると大変です。まずは醤油 の味から違いますし、何で出汁を取るかも違います。私の実家は昔から鰹節で、私が鹿児島に行くように なってからは鹿児島の鰹節を使い、いまでも取り寄せて愛用しています。これは素材ですからなんとか摺 り合わせて行くことが可能でした。味噌も今は自家製なので問題はありません。今でも違うなあと思うの はみそ汁の具材です。千葉では「アリ」なんじゃないかと思うのですが「茄子のみそ汁」「たまねぎのみ そ汁」は食卓に登りません。まあ、私はもともと「みそ汁」の好きな人間ではありませんので、それほど 真剣な問題になりませんでした。鹿児島女と福岡男の同級生のカップルはみそ汁の具材じゃなくて、具の 「量」でケンカをしていました。福岡男は「みそ汁」なんだから、具は「浮き実」程度で良い！と言い、 鹿児島の奥さんは健康のためかどうか、具をいっぱい山盛りに作るのです。まあ、こんなネタで夫婦喧嘩 できるのは仲の良い証拠でもあります。１／４世紀ほど昔の話です。（笑）

加藤昭浩

　テレビでこれだけ話題になっても、歯周病はキチンと治療されないまま、放置されています。 今もボロボログラグラの新患の方が後を絶ちません。先日、どこかの歯医者に「歯が抜けてから 来てください」と言われて悩んでおいでの方がみえました。50代前半の美形なんですが、口の中 が崩壊しているのです。でも、前歯が揃っているので、離れて見ればそれほどおかしくはありませ ん。奥歯の噛み合わせがなくなってしまい、噛む力が前歯にすべて掛かってしまうので、現時点 で90％壊れています。見た目が悪くないので、まだ余裕があるんですね。あと半年放置すると総 義歯なんですけどね・・・。
重度の歯周病のために歯が揺れて、噛む力のストレスを解消してい るのです。折れることなく、横に広がるわけです。以前にグラグラの歯が数本抜けたら糖尿病の 指数であるHbA1cの値が良くなったそうです。 今のうちに治療を薦めるのですが、前歯が抜けて しまわないと判ってもらえないんでしょうね、残念ですけど・・。

　歯を抜くことは何年歯医者をやっても良い気分じゃありません。親知らずの抜歯なんて、でき ればやりたくありません。たまに定期検診してない患者さんが歯ぐきが腫れて歯を抜きに来るこ とがあります。これはグラグラですから、大変じゃありません。今まであまり考えなかったので すが、ちゃんと定期検診においでの方で歯周病の悪化のために抜歯する症例なんて、年間何本あ るんだろう？？ホントに、ここ数ヶ月記憶にありません。野球の防御率じゃありませんが、重症 歯周病の患者さん一人当たりの5年間での抜歯本数が１本以下だったら、レッドソックスの岡島以 上です。もの凄いことです。（正確な統計処理はしていません。あしからず）

　しかし、ここ数週間で二人の方が歯を折って来ました。どちらもマジメに定期検診においでの 方です。歯周病が原因で歯を抜くことは無いけど、自分で噛み割ってしまい、歯を抜くことにな るんです。最初に書いた５０代の女性と全く逆のことが、うちの定期検診を受けている方の口腔 内で起こっているわけです。歯周病はほとんど完全に処置されているから、動揺はほとんどあり ません。歯が動いて逃げることができないので、歯に大きな力が掛かります。生きている歯なら ば歯がたわむことで折れることはないのですが、神経の無い歯の場合は折れてしまうのです。結 局、二人ともインプラントになりました。なんだかとてももったいない感じです。
　歯はなぜ折れるのでしょう。それは「神経」を抜いてしまったことが原因なのです。神経 がなくなると歯が乾燥して折れやすくなります。木の場合、枯れた「材木」と根のある 「木」とどちらが折りやすいでしょうか？歯も同じなのです（乾燥が原因ではないという 意見もあります）。神経のある歯が根もとから折れることは通常考えられません。交通事 故などの外傷が原因であることがほとんどです。しかし、差し歯 は折ってしまう患者さんがあとを絶ちません。歯根破折の症例で 今までで一番悩んだ症例を見て頂きたいと思います。これは2005 年ICCMO JAPAN（国際顎頭蓋機能学会日本部会学術大会）で発 表しました。
　３０代の女性です。右上の前歯２本だけが差し歯になっていま した。虫歯の治療でプラスチックにして、その後、虫歯が進んで 神経を取り、約１０年前に差し歯にしたわけです。来院の理由は 真ん中の１本が脱落したからです。歯根破折も見えましたが、そ の時はそのままノリ付けしました。半年ほどしてその横の歯が取 れてきました。この歯も歯が割れていました。２本連続で欠損を もつブリッジを作ることはできますが、全く傷のない健全歯を両 サイド２本ずつ削らなくてはいけません。それで一生使えればい いですが、ブリッジは長くなれば長くなるほど問題を起こしやす いのです。今回のような壊れ方をする場合は噛み合わせに問題が ある場合が多いのです。

　ちょうど噛み合わせを診断するKー7を導入したころでしたので、計 測させてもらいました。 初心者の私が見ても非常にわかりやすい結果でし た。本来筋肉が行きたい位置と現在の噛み合わせ 位置が前後に約１ミリずれていました。 　患者さんとよく相談した結果、これ以上歯を削 りたくないということでインプラントにすること にしました。

　歯に縦にヒビが入っていて、そのヒビに沿って 骨が消えていました。インプラントの予後に大き く影響する骨の量が少なく、インプラントとイン プラントの間の歯肉が盛り上がらないことが予想できます。２本同時に抜歯して仮歯にします。 歯は２本とも見事に割れていました。骨も思ったほど残っていませんでした。傷の治りを１ヶ月 待ちます。抜歯と同時の即時埋入即時過 重が今話題ですが、個人的にはやりたく ありません。やはり成功率が１００％に 近くない処置は避けたいと思います。成 功率が９0％でも1０人のうち一人は失敗 するわけですから・・。　インプラント が結合するのを待つ期間は約６週間で す。仮歯を入れている間に下の顎が徐々 に前に出てきました。今までは意識して 後ろに噛み合わせを持っていったのが、 上の歯を抜いたので下の歯が自由に前に 出られるようになったわけです。 右が術 前と術後のレントゲン写真です。

　治癒期間が過ぎてインプラントに仮歯 を付けた状態で、もう一度噛み合わせの 診査をしました。現在の噛み合わせ位置と本来望ましい噛 み合わせ位置が一致しています。これで安心してセラミッ クスをいれることができます。

　２本連続して作った症例としてはかなり良い出来でしょ う。
今回の治療はブリッジの場合は６本分作ることになり ます。メタルボンドブリッジで72万円、ジルコニアブリッ ジで90万円です。ほぼインプラントと同額です。
どっちが 良いのか、何とも言い難いです。でも、本当は、神経を取 らない自分の歯が一番良いと思いませんか？？

インプラントの話・・・・・その２

　あまりお知らせしたくない話です。つい先日、インプラント植立手術が原因の死亡症例が日本 でも出てしまいました。インプラントに対する世の中の良い評判が生まれてきた時期だけに非常 に残念です。今回のケースは「慣れ」により安易な方法に走ったための事故ですね。自動車事故 にたとえれば慣れた道での脇見運転による事故という感じでしょう。今回の事故でインプラント 手術が無くなるとは思いません。今の人間にとって車の利用が無くならないのと同じです。宣 伝、広告、または立派なHPによってその医院を選んでしまった患者さんは不幸です。実は同じ失 敗例がアメリカでは２例報告されています。舌動脈損傷による出血で呼吸困難による窒息死です。 筋肉が入り組んで複雑な場所であるため、止血が困難だったと思います。この失敗手術を避ける 方法はなんでしょう。解剖学的にその部位は斜めに埋めると安心出来る方向になります。事故を 避ける一番確実な方法はCTを撮影して下顎骨の形をキチンと理解することです。少なくとも断層 写真が必要です。かとう歯科では断層写真が撮れるレントゲン装置を導入しています。さらに複雑 な症例の場合、東京歯科大学でCTを撮影してもらい、データをＣＤでもらい、3D解析装置で分 析します。現時点では充分に安心できると思います。

　今では偉そうに語る「かとう歯科」ですが、最初から今の状態だったわけではありません。 かとう歯科ではインプラント治療を始めて１ ７年経過しました。CTの使えない時代から手 術をしていますので、当然、あまり上手く行か ないこともありました。一部の患者さんに御 迷惑をおかけしたことも事実です。なかなか 骨が削れなくて、冷や汗をかきながら埋めた こともあります。数年前まで患者さんの口だ けが出て、目の部分を覆うシートを使ってい ました。もしも、顔を覆わない、今のやり方であったならば、患者さんは 自分よりも顔色の悪い術者を見ることができたでしょう（汗）。

　現時点で事故を防ぐ最大の武器はCTです。Computed Tomography と言い、断層写真(Tomography)をコンピューターで組み直し、輪切り にしたものです。そのデータをシミュレーションソフトに取り込んで3D （３次元映像）にしていきます。さらに顎模型をスキャンしてCTデータ からの画像に合成して患者さんの説明に使うわけです。

　レントゲンは３次元を２次元にしてしまいますので、見慣れないと実 感がわかないのです。肺のレントゲン写真のように厚みが無くなってし まいます。あの映像からは腫瘍が手前にあるのか、奥にあるのかはわか りません。厚みもわかりません。顎の骨ならば、指で触って硬いモノが骨なのか歯茎なのかわか らないのです。インプラントを入れるには骨の厚みが必要なので、縦の断面の写真が欲しくなる わけです。断層写真は断面で見ることができますので、厚みや形がほぼ正確にわかるわけです。 事前にシミュレーション用のステント（入れ歯のようなもの）を入れてCTを撮影すると実際に埋 めるインプラントの太さや長さをパソコン上で試してみることができますので、より安心感があ ります。今回の事故も埋める部位の断層写真を確認すればまず起こらなかったと思います。イン プラントが安全で有効な治療手段であるだけに残念です。（CTはインプラント希望の方すべてに お願いするわけではありませんが、御自分の治療の深い理解のためには有効です。）

究極の医療ついにベールを脱ぐ！！

　１年ほど前、EAVのセミナーに家内と出かけました。EAVとは以前から何度か話題に上っている「Dr.VOLLによる 電気的鍼灸治療器」のことで、家内の病気の原因を示唆してくれた医療器具のことです。そのセミナーはEAVなどを 使って実際に医療行為をしている人の集まりで、内科医、漢方医、歯科医、鍼灸師、整体師などなど十数名でした。 まあ、怪しい機械を使っている人達の集まりなので最初から怪しさ全開でした。この私が会話についていくことが難 しいレベルなんですから・・・。この集まりの中心的な立場の内科の先生は自分の診療を漢方とEAVを使っているよ うでした。また、これから開業しようとしているお医者さんはこの機械だけで銀座で開業する予定だそうです。世の 中には私よりも遙かに怪しい医療人が居るんだという安堵感ですかね。皆さん話題豊富で楽しい一日でした。このセ ミナーの時にちょっと面白いモノのデモンストレーションがありました。 「シンギング・リン」という商品です。仏壇に置いてある「チン」と鳴らす 「おリン」の大きいモノです。ジャンル的には「音響療法」と言うんでしょ うね。これを実際に試してみたわけです。事前に被験者のEAVデータを計測 しておいて、「治療」して、治療後にまたEAVデータを採るわけです。

　結果は非常に興味深く、術前に多少問題があった被験者も、治療後には正 常データになっていました。実際にどういう治療をするかと言えば、大きな 金属製のボールを頭に被せ、それを「ゴーン！」と殴って５分間ほど様子を 見るだけなんです。見事なほどに何もしない！これで治ればこれほど医療費 の掛からない治療法はありません。患者の受けるダメージもなく、短時間です。今、私はこ れを週に数回被って波動調整してます。毎回音が聞こえる部位が変わるのが不思議です。具 合の悪い部分が強く共鳴するらしいのですが、それ以上はわかりません。これで「治療費1 万円」なんて請求したらたぶん詐欺だと言われるでしょうね（笑）。まあ、「自由診療」な んで治療費はいくら頂いても良いわけですが、払う側からしたら「本当に治ったのか？」あ るいは「本当に治るのか？」が納得できないと払う気にならないでしょう。

　そうすると「『治った』とはどういうことか？」の定義が必要になります。末期の悪性腫 瘍の患者さんのガン細胞が身体の中から消えたとしたら、これは誰が見ても確実に「治っ た」といえるでしょう。まあ、こんなことが起これば、噂が噂を呼んで教祖様になれます。 姉の通う気功の先生はこのレベルですね。教祖じゃないけど・・（笑） 。　　

　この「治った」「治らない」「病気である」「病気じゃない」を判断するためにEAVを 使うわけです。「治った」の意味は「ＥＡＶ的に治った状態」のことになります。ターゲッ トは慢性病です。私の術後の感想は非常に頭がスッキリします。EAVとセットで計測してみ ると面白いでしょうね。いずれやってみましょう。気功治療よりも簡単で良いです。これを 使った治療で生計が成り立つなら、歯医者辞めるかなあ・・でも、楽だけどつまらなそうだな・・（笑）。
　興味がある方は、SION inc.のHPを御覧ください。どうやら今ちょっと流行中の「地球交響曲」にも音楽として参 加しているようです。

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