千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております。
2011.6
院長 加藤昭浩
以前に「中華外食難民」になった話を書きました。行きたい店が無くなると「家族揃って食べに 行こう!」というモチベーションも下がります。さらに子供が下宿し始めると参加人数も減り、円卓 を囲むほどのメンツが揃いません。数ヶ月前に1回だけ中国飯店系の店に長男と二人で夜遅くに行 き、ここの名物料理とされている黒酢酢豚を食べました。10年ほど前に、初めてここの黒酢酢豚 を食べ、とても美味しくて感動しました。例のEAVの事務所が六本木の中国飯店の横なので連れて 行ってもらったんです。私は自分が作ったことがない食べ物には、ただただ感動してしまいます。私 は結婚前にシュークリームを作ったことがありませんでした。スポンジケーキやクッキー系は実家で 作ったり、鹿児島のアパートで作ったりしましたが、シュークリームの皮だけはやったことがなかっ たんですね。家内が以前に作ったことがあるということだけで「尊敬」の念を覚えました。今にし て思えば、小麦粉を卵と湯で練って、オーブンで焼くだけで、誰にでもできますから、感動も尊敬も しませんが・・・。(笑)
長男と今終わったセミナーの話をしながら、老酒を飲みつつ、ちょっと揚げ過ぎでガリガリの豚
肉を囓りつつ、図らずも思い至ってしまいました。「おいしい中華を安く外食しようと思ったとこ
ろに問題があったんだ」。今まで、たまたま安く食べさせてくれる店があっただけで、あの香港飯店
が例外だったんです。外食で美味しいモノを食べようと思えば、値段が高いのは当然です。美味しく
て、安く済ませようと思えば、結局は自宅でなんとかしないとダメ。当たり前ですけど、そういう
ことです。だって、香港飯店を発見するまでは今と同じ悩みを持っていたんですから・・・。
でも、家庭で中華料理を美味しく作るためには問題点がいくつかあります。一つは「油通し」。こ
の独特な調理法では中華鍋から油を移す油ポットが必要になる。2つ目は「調理人」が必要である
こと。つまり、誰かが常に調理台の前にいないといけないのです。3つ目は専用食材を揃えないと
いけない。等々。まあ、どんなことでも、やらない理由を挙げればキリ
がありません。
じゃあ、実際に私が調理台に居続けることなく、半分以上は食卓に着 いて、家庭でコース料理を食べるにはどうすればよいか?まずはメ ニューを考える必要があります。中華って品数が多いですよね。実際に 今ウチで制作可能なメニューは・・・。前菜は棒棒鶏と叉焼とキュウリ の中華風漬け物。これは事前に冷蔵庫。クラゲはあまり好きじゃないん です・・。スープは事前に鍋に作り置き。一品料理は何を作りましょ う??麻婆豆腐は事前に作っておいてレンジでチンしてもあまり味に違いが出ま せん。油通しする必要のある料理は2品までじゃないと座っているヒマが無い。 油通しのついでに揚げ物は可能ですね。酢豚が好きなんで、これは決定。事前に 肉を揚げて、あんかけの材料を大きなフライパンに用意しておけば、野菜を油通 ししただけでアッと言う間に完成。近頃の自信作なんです。揚げ物は「油淋鶏」 にしてしまえば一品になります。エビチリも好きですが、家ではまだあまり上手 にできません。今後の課題です。青椒肉絲は油通しをしないとできない料理です が、油通しできればこれほど簡単なメニューもありません。最後にチャーハンが 食べたいけど、食べ始めてから30分は経過しているので、たぶん料理人がすで に酩酊状態です。蒸籠に作ってあった肉まんでガマンしましょう。デザートはフ ルーツで良いことにして、完成。ごちそうさまでした。
久しぶりに食中毒が流行しています。日本では「ユッケ」が原因、ドイツではまだ原因が特定され ていません。O-157パニックの時に「ステーキは表面を焼いてあるから安全。でも、ハンバーグは 完全に火を通さないと危ないんだよね。」って会話をしていた記憶があります。あれは1996年だそ うですから、今から15年も昔のことになったんですね。その後、ニュースにはなりませんが、毎年 のようにO-157で発病する人がいます。いくつか原因食品が特定できたケースもあるようです。原因 としては野菜サラダ、牛レバー、生肉などです。 正直に言うと、私は外食店をあまり信用していませんので、怪しそうな生ものは食べません。 (笑)自分が料理をする場合、買い物にも自分で行くので、必然的に鮮度や原価に詳しくなります。 魚釣りもやってるし、お魚にはきびしいです。牛肉とかマグロが安く売りに出るにはワケがありま す。今の時代、冷凍して保存も可能ですし、流通に乗せて他の地域で売ることもできるわけです。店 によって「金曜日は20%安く!」なんていう店もありますが、やはり通常に比べると品質は落ち ています。マクドナルドのように、完璧なシステム運営をすることで原価を下げることに成功してい るお店は別として、売値が安くできるということは仕入れ値も安いということです。安い理由は鮮度 が悪いか、偽物だからでしょう。今なら残念ですが「福島産」とか・・。 我々が手に入れることが できる範囲では、安全でおいしいモノは原価が高いんです。 ところで「ユッケ」として生肉を食べる風習はいつ頃からなんでしょう? 私は韓国に行ったこと がないし、あまり焼き肉店に行かないので、ユッケを食べたことがありません。家でも食べさせた ことはありません。一度だけ頂き物で熊本の高級馬刺しを食べたぐらいです。大学生の息子に聞く と「焼き肉屋に行ったとき、誰かが頼むと少し食べる」そうです。ここら辺は世代間格差があるよ うに感じます。20,30代の方がユッケに馴染んでいるようです。
ユッケは洋風料理のタルタルステーキの韓国版なんですかね?タルタルステーキって美味しいのか
な??実は生肉食で近頃憧れている食材があります。牛肉なんですけど、長期乾燥熟成させるんで
す。まあ、食べたことないからあくまでも想像ですけど、アミノ酸の分解が進んでいて、味が濃いで
しょうね。食べ方としてカルパッチョです。薄切りにして、パルミジャーノ・レッジャーノと一緒に
食べるんですね。 あー、美味しそうですね・・。 当然、味が濃くてステーキも美味しいと思いま
す。私はあまり脂のギトギトなのは苦手です。いつからあんなにA-5と
かBMS12とか脂にこだわるようになったんでしょう。いつも後片付け
の時に、皿についた牛の脂が落ちません。40度のお湯にもなかなか
流れない、あの脂が全部自分の血液中に流れ込んでくるわけです。体
温36.5度じゃ固まるんじゃないかと思ってしまい、想像だけで心
臓が苦しくなります。(笑)
生で絶対に食べられないモノが一つあります。生の牛レバーです。御存知の通り、レバーって肝臓です。動物の肝臓は高性能な生化学工場なので、多くの酵素がいろいろ
とアミノ酸を作り出しています。食べたことがないので想像ですが、いろいろとアミノ酸の味がして
美味しいのでしょう。しかし、肝臓は同時に血液のフィルターです。がん細胞がリンパ液を流れたと
きはリンパ節に引っかかります。それがリンパ節転移です。血液を流れたら
肝臓に引っかかり肝臓に転移するか、脳に転移するか、肺に転移するかで
す。流れてくるのはがん細胞だけじゃありません。細菌も寄生虫も流れてき
て、肝臓に引っかかります。加熱すれば死にますから安全です。寄生虫はサ
イズが大きいので良く噛めば噛み潰せますが、そこまでして食べる気には
なりません。魚のキモは食べるんですけどね。大分ではフグ、関東でもカワ
ハギの刺身のキモ和え。アンコウの肝臓である「あんきも」は日本料理系
ではよく使う食材です。茨城以北の特産ですよね。海底に潜んでいる魚で
すが、いったいどうなるんでしょうね?きっと捕獲禁止でしょうね。今年
の冬、「あんきも」は出てこないのかな・・・。
歯科医師会に入っていると半年に1回ぐらい1.5歳児検診または3歳児検診に駆り出されます。先日 も1.5歳児に行って来ました。1歳半の口腔内は乳歯16本が平均で、ちょっと生えるのが遅い子は 上下の前歯4本ずつと奥歯が少し顔を出している程度です。この時期に虫歯になっている子供は ちょっと将来が不安です。3歳児になると乳歯20本がすべて生えている状態が平均です。検診では まれに臼歯部に虫歯ができている子供が少しいる程度です。上の前歯の間が虫歯ということもあり ます。小児検診当番ももう20年目を越えました。今は美浜区だけに行くようになりましたが、最初 の頃はは千葉市全域に出掛けていました。当時は海浜地区の虫歯の少なさが際だっていて、千葉の 奥地(失礼!)の保健所では、美浜区の我々が行くと保健所の衛生士は恥ずかしかったようです。 爺ちゃん、婆ちゃんに子供を見てもらっている家庭が多いようで、今では見ることのない「味噌っ 歯」の子供もいました。ジジババにとって、機嫌の悪い子供を黙らせるため に一番簡単な方法が「甘い物」だったわけです。まだまだ「虫歯」と「ガ ン」が世の中で一番怖いモノだった時代です。昔は虫歯のチェックが目的 だった1歳半、3歳児検診も今ではほとんど虫歯を見つけることもなく、歯 並びの相談やDV(家庭内暴力)のチェックが主たる目的になりました。近頃 は父親が一緒に来ることも稀ではなく、父親だけで子供を連れてくることも あります。20年前には見かけなかった光景です。
そんな時代に開業したかとう歯科は患者のニーズとはミスマッチの歯槽膿漏
(歯周病)の危険性を訴えていたわけですからねえ・・・。今さらながら、笑っちゃいます。「歯槽
膿漏なんかどうでもいいから、虫歯はないんですか?!」ってマジで聞かれましたから・・・。
うちの定期検診は基本的には今も昔も変わっていませんが、口腔内写真をキチンと撮ってデータ
を残し、虫歯のチェックを強化しようと思います。と、言うのが、定期検診を受けている方で歯周
病が原因で抜歯になるケースは、すべての定期検診患者の合計で年に1〜2本です。ウソみたいです
が、事実、5月までに1本です。それに比べて、虫歯の進行による抜髄(神経を取ること)は年間数
本あります。私自身が虫歯にたいして甘いというか「虫歯ならなんとでもなる」と思っているんで、
こういう結果になるのかもしれません。(笑)本来、歯周病の保険治療では毎年1回大きなレント
ゲンでチェックするのが国の薦める基準なんですが、私が患者さんに放射線を浴びせるのが好き
じゃないので、数年に1回しか撮影していませんでした。。さすがに間隔が開きすぎですので、2年
に1回ぐらい撮影させて頂きたいと思います。
いずれにしろ、健康保険で定期検診ができる間は、自己負担金がだいたい3000円ぐらいでで
きますので大変お得です。健康保険を有効に使って是非お口の健康を維持してください。素人に30
分マッサージしてもらっても3000円ですよね。うちの定期検診は非常にコストパフォーマンスが
良いです。是非、予約してからおいでください。
こんな感じで年に4回ほど来ていただくことで、歯周病から縁遠い生活ができます。しかし、うち
のマジメな患者さんの中にも中断したままになっている方が多いことに気付いてしまいました。
ニュースレターは発行当初は300通程度だったのに、今はその倍の600通も出しています。でも、
定期検診の予約枠が足りないわけじゃありません。これは絶対におかしい・・・。患者さんから意
外に耳にするのが「このニュースレターが来ているから大丈夫!」と言う話。(笑)ニュースレター
は「魔法の歯ブラシ」じゃないんで、そこのところよろしくお願いします。
編集後記
もうすぐ大地震から3ヶ月が経ちます。原発の問題は全く進展していませんが、自然の方は少し落ち着いてき たのかもしれません。余震も少なくなってきました。「大地震から3ヶ月以内にM8クラスの直下型地震が千葉県東方で起き る」って、たくさんの研究所、研究施設から発表がありましたけど、あれってどうなったんでしょう?風評被害の一種じゃ ないの?(笑)まあ、6月11日までまだ数日ありますから、まだ「ハズレ」じゃないですけど・・・。イタリアでは逆に 「小さな地震があったのに、地震の危険性ををキチンと知らせていない!」ということで訴えられましたよね。もしかし て、日本人ってすべての点でガマンし過ぎなんじゃないでしょうか?それにしても、30年前に比べて日本全国で地震が増 えてきました。鹿児島にいる頃に九州で震度5クラスの地震が起きるなんて考えられなかったけど、その後、福岡でも川内 (鹿児島県)でも起きています。川内には原発があるんですけどね。(笑)昔は「震度5」が最大だと思っていましたけ ど、今回は震度7でしたからね。もしかして、次は「震度8」の地震を経験することになるんでしょうか??直下型地震と もう一つ話題になっていたのが「富士山が噴火する」という話。震度1以下の火山性微動が芦ノ湖で非常に増えていて、箱 根山が噴火するんじゃないかと話題になっていた時期がありましたが、あれもどうなったんでしょう?高さは富士山の方が 高いですが、規模は箱根山の方が遙かに大きいです。噴火するなんて事になったら、関東には住んでいることはできませ ん。鹿児島の友人によると、宮崎と鹿児島の県境で噴火している新燃岳は近頃おとなしいそうです。まあ、日本という国、 全部と言って良いほど火山活動やプレート活動と密接に関係しているわけですから「日本に住むなら今回の大震災のような 自然災害はたまにありますけど、その代わりに美しい富士山とたくさんの温泉を楽しんでください!」ってことですね。さらに編集後記
震災直後は心が固まっていて、仕事も本もほとんど手につきませんでした。それでも何か自分にできることはないか と思い、ポーチを作って義援金を集めれば少しは世の中のためになると思い、販売を始めました。予想以上に多く買っていただいて、 休日はユザワヤで生地を買い、スタッフに途中の作業を手伝ってもらい、自宅では毎晩2時間ぐらいミシンを動かしていました。ホン トに「嬉しい悲鳴」でした。徐々に世の中の安定が戻り、普通の生活に戻る中で、毎日2時間のミシン掛けはしんどいです。私は普通 以上に家事もしますんで、うちの主婦以上の「家事」をこなすことになってしまいました。(笑)実は今回、ニューズレターのネタ切 れで非常に苦労しました。 結局は読書の時間をミシンに回していたんです。底の浅さがバレバレです。私にしては珍しく、2月末から 読み始め、5月20日頃まで、約3ヶ月も掛けて読んだ本があります。もしかして、1冊の本に掛けた時間としては最長じゃないかと 思うのが右上の「ユーザーイリュージョン」です。もともとはデンマークで1991年に出版された本が日本語になったのが2002 年です。あるセミナーで薦められたんですが、久しぶりのストライクです。でも、1回読んだだけじゃ、理解できませんでした。内容 が多岐に渡るのですが、この本で非常に印象に残ったひとことがあります。「人間の情報入力は数十万ビットだけど、意識できるのは 多くて20ビットしかない。」入力は五感から常に存在しています。その情報量は膨大です。しかし、目や耳などから入力し大脳を経 由して瞬間、瞬間に意識にのぼる内容は「暑いな」とか「痛い」とか、非常に少ない情報量で、多くて20ビットなんだそうです。し かし、その20ビットの意識の連続が動物と人間の違いを産んだんじゃないかと思います。その意識の結晶のような「意志を持つ」と か「目標を持つ」ってことが、人間として生きる上で非常に大切なんでしょうね。いろいろなセミナーで常に語られる「目標を設定す ること」の大切さなんですけど、天の邪鬼な私は聞き流していました。大震災のおかげで、やっと納得できました。(笑)