千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております。
2010.2
院長 加藤昭浩
高校3年の理系クラスになって最初に隣の座席に座った男(以前に車の話の時にちょっと登場し た男です)は、幼稚園、小学校、中学校、高校まで同じなのに、過去に一度も同じクラスになった ことの無い男でした。彼の親とうちの親はPTAで親しくしてましたけど、私は彼とあまり話をした ことはありませんでした。ある日、そいつと受験する学部の話をしたら、歯学部志望だというので す。今じゃずいぶんと落ちましたが、昔は歯学部ってけっこう偏差値高かったんです。ですから「な んでこいつが歯学部なんだよ!」と思いました。まあ、サラリーマンには向いていない自分の性格 など考慮して、いつの間にか彼につられて私も歯学部志望になっていきました。主体性の無いこと甚 だしいですが、これが真実です。(笑)
親も仲がよいので、そいつと一緒に東北大学の歯学部を受けに行きました。予約した宿が、なぜか当時仙台で一番上等なホテルで、受験案内してくれた高校の先輩が「ホントにここか?」と驚いていました。まだまだ洋風ホテルに馴染んでいた時代じゃありません。昔の高校3年生ですから、自分たちだけでそんなホテルに泊まるのは初めてです。サービスも立派で、朝食はいわゆるアメリカンブレックファストでした。朝御飯を食べに行くとボーイさんがオーダーを取りに来て、ジュースや卵料理を選択しないといけないわけです。それでも頑張って、私は「スクランブルエッグ」を注文しました。でも、出てきたのは「半熟のスクランブルエッグ」でした!?今までスクランブルエッグと呼んで作っていたモノは実は「炒り卵」で、「本当のスクランブルエッグは半熟なんだ!」と知りました。今なら「これをちょっとまとめて返せばオムレツだな」と思うところですが・・・。試験内容は全く覚えていませんが、スクランブルエッグの映像だけは覚えています。シングルじゃなくツインルームでしたので、友人の勉強状況もよくわかってしまいます。「帰宅部」の彼はかなり勉強していました。その当時、ウチの学校では「運動系の部活やっていたら浪人確実」という風潮がありました。ですから、私は受験前から浪人するつもりになっていましたが、なんと、同期の剣道部8人のうち現役で3人合格しました。東大理一、千葉大工学部、早稲田大教育でした。やれば受かるんだよね・・・。伊達政宗の銅像を見て、笹かまぼこを土産に買って帰ってきました。
仙台で試験を受けたのが3月3,4日。二期校を本気で目指していれば一期校の合否に関係なく必死に勉強するべき時なんですが、私はダラダラと布団の中で「竜馬がゆく」を読み返していました。完全に打ちひしがれていました。私立も全滅(早慶だけ)、東北大学も完敗。あと試験が残っているのは東北の歯学部よりも偏差値の高い東京医科歯科大学(注)・・・。それまでにどこか一つでも合格していたら、やる気も出たでしょうが、あまりの出来の悪さに完全に自滅していました。さすがに親もかわいそうと思ったのでしょう。もう「勉強しろ」とは言わず「受けるだけ受けたら?」。私はあまりの不甲斐なさに受験する元気もなく、2期校は受けないまま浪人が決定しました。読む本はなんでもよかったんですけど、ちょっとは元気が出そうな本を選んだわけです。
大河ドラマ「龍馬伝」を見て、最初に思い出したのはこの不甲斐ない日々のことです。32年経って、一期校、二期校は呼び名も制度も変わり、前期、後期となりました。
注:かとう歯科のすぐそばにある大学は東京歯科大学、こちらは私立の歯科大学です。東京医科歯科大学はお茶の水駅
前にあり、ホームから見ることができます。その昔、東大の医学部に落ちた人はここの医学部を受けました。東大の法
学部を落ちた人は歯学部を受けると言われていました。(笑)
現在、「インプラント」と言えばチタンインプラントです。死亡事故や使い回しなど話題になりましたが、埋める歯医者が増え、インプラントを入れる患者さんが増えればそういう悪事や事故が起きてしまいます。しかし、「1本の歯が抜けたら1本インプラントで補う」という考え方は理にかなっています。すでに私が使い始めて20年経ちます。総合計1300本以上使っていて、「かなり使えるモノ」として皆さんにお薦めしてきましたし、実際にそういう風に認識しています。
私はいろいろな経験から「金属を使わない歯科治療(メタルフリー)」を目指しています。しかし、残念ながらインプラントだけはチタンという金属を使わなくてはいけませんでした。
20年前にセミナーに行った頃は「チタンにはアレルギーはありません。」と教えられました。その理由は「人類が今までに接したことがないから」と説明されました。接する機会が増えれば増えるほどアレルギーは増えて行きます。「そんなにチタンに触れるの?」とお思いでしょうが,実は触れているのです。金属のチタンはメガネフレーム、ゴルフクラブ、装飾品などになっています。金属状態ではありませんが、二酸化チタンは安定した白い粉で、絵具、塗料、食品添加物、日焼け止め剤などに大量に使われています。日焼け止め効果の高い商品には酸化チタンが必ず使われています。ですから、20年前の「チタンにアレルギーはありません」という説明は残念ながら通用しなくなってきました。今では0.6%ほどの人にアレルギーがあるそうです。金属が多く入っている口腔内はアレルギーを起こしやすいと考えられます。ですから、すでにチタンインプラントを使っている方は徐々に金属を減らす方向で治療を考えて頂きたいと思っています。メタルフリーが望ましいのはそういういろいろな理由があるからです。
先日の日本メタルフリー学会設立総会でジルコニアインプラントを見つけました。まだスイスで発売されて数年ですが、アメリカFDAの認可も取っています。日本の厚労省の認可がおりる可能性はほとんどありませんので、個人の責任で使うことになりますが非常に有望であると思います。 ジルコニウム(金属)の二酸化物がジルコニアですので、全くアレルギーが起こらないという保証はありません。しかし、インプラントが金属状態ではありませんから変な電流を起こす心配もありません。さらに インプラント自体の色が白いので審美的に非常に有利です。まさに究極のインプラントなんですが,欠点もあります。骨に付くまでにチタンインプラントよりも時間がかかります。上顎で6ヶ月、下顎で3ヶ月です。費用はCERECクラウン込みで1本45万円を考えています。いくつか欠点はありますが、メタルフリーを実現させることができます。
歯の漂白(ホワイトニング)は老若男女を問わず興味を持っている方が多いようです。近頃、初診時の問診票に質問項目を増やしました。「歯の色が気になりますか?」にはほぼ全員の方が○でした。もともと黄色人種である日本人の歯は白くありません。それが正常なんですが、近頃の女性の化粧が美白系にシフトしてきたので、コントラスト的に歯が暗く黄色く見えるようになりました。肌を白くすれば、その分、歯も白くしないと釣り合いが取れなくなるわけです。その点漂白の効果は絶大で、鏡を見ることが楽しくなるようです(笑)。
以前からオフィスホワイトニングはありました。でも、施術後が痛いんです。私が導入しなかった理由もそこにあったわけで、今まで「痛み+短時間(オフィス)」を選ぶか、「痛みナシ+食事制限+長期間(ホーム)」を選ぶかという二者択一でした。ようやく、痛みが無く短時間で食事制限ナシという欲張りな選択ができるようになりました。真っ白という感じではなく、キレイという感じです。通常料金はオフィスホワイトニングは3万円(2回来院が1セット)。追加する場合は1回1万円です。 痛みがありませんので何回でも追加可能です。さらに、より白さを追求したい場合、ホームホワイトニングと併用してください。その場合の料金は5万円です。現在PMTCを受けている方でオフィスホワイトニングを希望される方は、お試し価格として1万円で1回受けられます(通常料金は2回で3万円)。当然、後日に追加も可能です(プラス1万円)。PMTCとセットで90分間予約を取りますので、予約時にそうお伝えください。すでに予約してある方で内容を変更希望の方はTELください。ただし、土曜日と平日5時以降はできませんのであしからず。
編集後記
大隈重信の足の件で昔の「出題者」に電話しました。答えを聞こうと思ったら「そんなこと言ってたっけ?」。32年も経ってますからね(笑)。Wikipediaで調べたら、失っているのは右足で、そのため右手に杖を持っている像になっているんだそうです。ただ、外観上は「足」は付いています。いろいろと面白いエピソードがあって、今のJRの線路幅(狭軌)を決めたのは彼。のちに「吾輩の一世一代の失策」と語ったとか。1908年早稲田大学対アメリカ大リーグ選抜チームとの試合の始球式を勤めたのが大隈重信です。これが記録上最古の始球式です。その始球式で彼の投げたボールは大きくストライクゾーンを外れました。早稲田大学の1番バッターはこれをワザと振り、ストライクとしました。これ以来、始球式のボールは空振りするのが慣例となったのだそうです。伊藤博文をライバル視していたそうで、伊藤がハルビンで暗殺されると「なんと華々しい死に方をしたものか」と悲しみつつも本気で羨んだそうです。人間は「死」から逃れることはできませんが、いつ、どういう死に方をするかを自分で決めるのは難しいことです。私も50を過ぎたんで、そろそろそういう研究を始めようと思い、新しい勉強会に参加します。いずれまた「ひとこと」させて頂くと思いますので、お楽しみに。