千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております。
2016.2
先日、ちょっと面白い本を読みました。「ピンピンコロリの法則」星旦二
著です。著者は厚生労働省に勤めていたお医者さんで、公衆衛生のエキス
パートです。「公衆衛生」ってわかりにくいですが、「保健所の仕事」って
理解したらよいですかね。伝染病、公害、上下水道、食品衛生などでしょ
う。今話題の廃棄冷凍食品の管理もお仕事ですね。
この本の最初に「10の健康常識 ウソ、ホント?」が面白いです。
さあ、みなさんは何問正解できるでしょう?
過去のニュースレターにも出ているネタが多いので、全問正解でしょう。
(1)最高血圧が160mmHgを越えたら赤信号?
(2)総コレステロール値は220mg/dlを越えたらアブナイ?
(3)お酒は飲まない方が健康になれる?
(4)やせたら長生きできる?
(5)メタボだと心疾患で死ぬことが多い?
(6)運動は週2,3回はやらないと意味がない?
(7)成人になって生活習慣を好ましいモノにすると長生きする?
(8)お年寄りは家でゆったりできる方が長生き?
(9)海の近くより山に住んだ方が長生きできない?
(10)感染症にかかったら、とにかく薬の治療が大事?
正解は全部×です。
日本の厚労省のお墨付きです。
いかがでしょう??
(1)血圧に関しては、以前から書いているとおりです。前ペー
ジの表を御覧ください。1987年から2014年の間になにが
あったんでしょう?聞き飽きたと思うんですけど、アメリカ
のハリソンの内科書(世界で一番有名な教科書)での服薬基
準(降圧剤が必要な血圧)は180/110です。日本の1987年
の数値に近いですね。 2004年に何か日本だけですごいこと
が起こったんでしょうか??(笑)
血圧が高いのは身体が必
要だと思っているからじゃないんですかね?噴水を考えても
らえばわかるとおり、血圧下げちゃうと上の方(アタマと
か)に血流が届きにくいんじゃないですかね?
(2)以前から書いているとおり、低い方が統計的には早死にです。
当然、体調が悪くてコレステロールが低い人も含まれます。コレステロールは細胞膜を作るのに必須なモノです。脳に大量に
存在します。
これが足りなくなるとボケるんじゃないかと思って
ますが、どうなんでしょう?このデータを信じるなら、コレステ
ロールを下げる薬は要らないはずだけど・・・。(笑)
(3)男性は毎日飲むグループの方が長生きです。「健康のために
お酒を飲みましょう!」って誰も言わないのは、なぜ?私はこの
データを見てから飲酒量が増えた気がします。飲み過ぎに注意し
ましょう!肝臓ガンのメインルートはアルコール由来よりも医療事
故や覚醒剤などの薬物の注射によるC型肝炎が原因のようです。
(4)肥満度と3年間死亡率を御覧下さい。痩せている人は短命で、小
太りが一番長生きです。しかし、BMI19以下の「痩せ」以外は思っ
たほどの差はないですね。
(5)統計的には40代女性で心疾患で死亡する人は1000人に0.1人
だそうです。1万人に一人!。80代男性でも1000人に13人です。
(6)統計上は「運動しない人」と「月に1回以上する人」では有意
差あり(違いがある)です。どのぐらいの「運動強度」なのかわか
りません。「月に1回」で差が出るなら「運動が身体に良い」とは言
いにくいですね。(笑)
(7)の設問は少し修正しました。本来は「生活習慣が好ましいほど長
生きする?」でしたが、これはもちろん○です。
1,睡眠をとること。
2,肥満にならないこと。
3,身体の運動をすること。
4,喫煙しないこと。
5,酒を適量以下にすること。
6,朝食をとること。
7,間食を控えること。
の7項目の生活習慣を守る人
は3個以下の人に比べ45歳の平均余命が男性で11歳、
女性で7歳の較差があることがわかっています。文字は小
さいですが、下の説明文がリアルです。(笑)
しかし、こ
の7つの生活習慣を成人になってから指導しても死亡率の
低減に関係しないばかりか、逆に死亡率が上がるという結
果も出ています。急激な変化がストレスになるのではない
かという説明になっています。子供の頃からの良い生活習
慣が大切ということでしょう。親がタバコを吸っていない
のに、子供が吸うことはなかなか無いような気がします。
(8)に関しては、ほとんど外出しない高齢者の6年後の生存
率は5割以下だそうです。以前に「今の老人には教養と教育
が足りない!」と耳にして、ビックリしたんですが、良く聞
くと「きょうよう」と「きょういく」だそうで、「きょうの
よう(用事)」と「今日の行くところ」だそうです。(笑)
自分で用事を作って、こまめに出かける人は長生きというこ
とです。
(9)は標高と全国の平均余命のデータからわかることです。
人間の住む環境が健康に影響するであろうことは、理屈抜
きに納得できますね。空気の美味しい、緑に包まれたとこ
ろで生活してみたいです。
(10)は右のグラフで一目瞭然です。都市の環境整備が整う
ことの方が効果が高かったということです。ペニシリンは
特効薬でしたが、その前の上下水道対策の方が有効である
ことが統計でわかります。日本人の薬好きは世界的に有名
です。インフルエンザの薬に関して言えば、異常行動で有
名なタミフルは世界の7割が日本で消費されているようで
す。血圧もコレステロールもインフルエンザも、まるで日
本だけの投薬基準があるみたいですね。(笑)
PPK(ピンピンコロリ)は「死ぬまでピンピン元気で、コロリと
逝く」です。「健康長寿後、即死亡」のことです。その反対の
NNK(ネンネンコロリ)とは「長期寝たきりの後、死亡」のパ
ターンです。統計的には人口あたりの病院病床数が多いほど要介
護率が高いようです。 空きベッドがないように上手にコント
ロールしているんでしょう。病気になったらすぐに入院できるの
は悪いことじゃないけど、治ったら早く出ましょう。