千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております
2007.2
かとう歯科 院長 加藤昭浩
皆様いかがお過ごしでしょうか?先頃話題となった「あるある」の話です。多
くの方が「納豆ダイエット事件」を御存知でしょう。実際にやってみた方も多い
のではないでしょうか?私はあまりテレビを見ません。特に健康番組は見ませ
ん。ウソが多いし、一面的な見方をしていることが多いからです。ですから、
「納豆」については後日、スタッフから伝え聞いて、知識を得たわけです。もと
もと「ダイエット」という行為自体が嫌いです。「ダイエット」して、きれいな
スタイルになって、・・・あり得ません。「体重減少=スタイルが良い」わけではなく、持って生まれた
骨格というものがあります。「スタイルの良いきれいなお姉ちゃんが好きじゃないのか?!」と聞かれ
れば、それは「好きです」。美しいモノは美しい。好きなモノは好き。しかし、その女性のスタイルは
世に言う「ダイエット」でできたモノではありません。もともと骨格が「日本人離れ」していて、立ち居
振る舞いがピシッとしていて、ダンスや運動をキチンとこなし、厳密な食事制限をし、常に管理し続ける
ことによって維持されているのです。決して「ヨッコラショ」と言いながら立ち上がることはないし、食
べ放題に行くこともありません。
私がいろいろと話を聞いて実際に有効だろうと思われるダイエット法に有名な「マイクロダイエット」
があります。これは肥満外来でも取り入れているところもあるようです。あとは寒天、こんにゃく系です
かね。これらは間違いなく取り入れるカロリーを減らす方法論ですから、小学生でも計算できます。あ
とは、外科手術が必要ですが、胃を小さくする方法。これも確実でしょう。医者が自分でやっているけ
どあまり薦められない方法は絶食。私の中学時代からの友人である皮膚科の医師は南の島に行って数日
絶食するのだそうです。海にも入らず、日焼けもせず、ただ汗をかいて絶食。べつに南の島に行かなくて
もできそうですが・・・。(笑)摂取カロリーを減らす。これが一番確実です。
もう一つは「食欲」をコントロールすること。中国などで売っている「痩せ薬」は気分を悪くするこ
とで食欲がわかないようにするものもあります。これらは時々新聞のネタとなります。痩せる話で私の仕
事関係ではインプラントを上下の奥歯に入れて、1年後にスマートになった患者さんがいます。この方に
は治療前から「痩せますよ」と言っていました。その理由は、奥歯が無くて咀嚼が不充分なまま食べ物
を飲み込んでいると、なかなか消化されず、血中のブドウ糖が上昇するのが遅いのです。血糖値の上昇を
「満腹センサー」が感じて脳に「満腹」指令を出すわけです。充分に噛まずに丸飲みしていると、脳が
「満腹」を感じる頃にはすでに多くのモノが「満腹」以上に胃の中に入ってしまうわけです。同じこと
が早食いの人にも起きます。それを一日3回繰り返していれば必要以上にカロリーを摂取しますから太
るのは当然です。奥歯が増えて咀嚼が充分におこなわれると、以前より早期にセンサーが反応するので、
摂取カロリーが減ることになります。その方は運動も適度にしていましたから、蓄積されていた脂肪が
徐々に使われます。その結果、体重は徐々に減少し、身体が必要と思うところまで減り、そこで維持さ
れるのだと思います。
なぜか、うちの病院に勤める女性スタッフは受付も含めて全員、体重が増加するようです。数年いる
うちになぜか自然と増えるのです。ですから、私は過去20年近くのダイエットの歴史を知っています。
みんながいろいろとトライするからです。開業当初からいてくれた衛生士さんは最初「リンゴダイエッ
ト」に挑戦していました。当然のことながら見事に敗北。彼女の趣味は食べ放題に行くこと。ケーキバ
イキングの情報通で、友達と一緒に良く出かけていました。テレビで「大食いチャンピオン」などを
やっていた時代です。テレビには「大食い」をしても相撲取りのような体型じゃなくて、スマートな女性
が登場することもありました。そういう女性はきまって「私、胃下垂なんです」と言います。だから、
彼女の夢は胃下垂になって大食いし、大食いしてもスマートな体型を維持することでした。そんな彼女
と、やはり食べるのが好きなスタッフとで舞浜のホテルへ「ランチ食べ放題」に行きました。
まだまだ私も家内も30代後半でしたので、行ってみようと言う話になったのです。結論から言えば「ヒトはこん
なにも食うことができるのか」。まさに「胃の数が違う」としか表現でき
ない違いでした。前菜2皿、メイン2皿。さらにスープ、カレー、パスタ、
すべてキチンと1人前です。ちょっとビールを飲んで、「もうちょっと食べ
ようかな。」と可愛く言って、メイン大盛り一皿。もうその頃には私は食
べ終わって、膨れた胃をさすりながら珈琲を飲んでいました。「こういう
ことができるヒトがリンゴダイエットをやろうと思う理由は何だろう」と深く考えていました。いった
い、リンゴは何個必要なんだろう・・・。大食いと「ダイエット」。人間の欲望を率直に行動に移しつ
つ、見果てぬ夢を表現するとそういうことになるのかなと考えたわけです。彼女は数年後に一時期体調
を崩し、内科で胃の造影をしたのだそうです。レントゲンを見ながら、お医者さんは「ああ、特に問題
はないけど、胃下垂ですね。」まさに夢が目の前から崩れていく、その瞬間を見た気分だったのでしょ
う。彼女は「目が点になった」そうです。それ以来、彼女の口から「ダイエット」という言葉は出てきま
せんでした。