千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております
2006.08
かとう歯科 院長 加藤昭浩
ウチの家内とは鹿児島大学の同級生です。卒業後は彼女は大分に帰り、私は鹿児島に残りま
した。ですから、遠距離恋愛ということになります。一部の方に私の文章をお褒め頂くのです
が、「国語」の成績は小学校から大学入試まで最悪でした。彼女への手紙を週に2通ぐらい2
年間続けていたことで「国語力」がアップしたのではないかと思ったりします。いずれにし
ろ、「継続はチカラなり」です。(笑)彼女との共通点は食べることが好きであること、作る
ことが好きであること、味の傾向が似ていること、多少変なモノも食べることぐらいで、
「食」以外のことはまるで似ていません。どこのおうちも家庭内の喧嘩のタネはたいてい共通部分での
意見の食い違いでしょう。ウチの場合、喧嘩の原因は食事の作り方、味付け、取り合わせです。私は
「出されたモノを黙って食べる」なんてつもりは全くありませんので、かなり細かいことにも文句を言
います。よその奥様は私が料理をすることを羨ましく思うようですが、たぶんウチの家内は内心複雑な
のではないかと想像しています。我が家は平日は家内が料理しています。手伝うことができれば私も手を
出します。私が休みの日は基本的に私が料理しています。日曜日は朝昼晩と作ることもあります。片付け
は週に2日は子供がやります。それ以外は家内がやったり、気が向けば私がやったりします。時間があ
れば掃除もします。私がこれほどまでに家事労働を積極的にするようになったのは、あの出来事がきっ
かけなんだろうと思います。
5年前の話です。彼女は急性肝炎で緊急入院しました。泊まりがけの家族旅行から帰ると非常に具合が
悪くなり、翌日近所の内科に行きました。夕方その診療所から「検査ミスかもしれないので、もう一度
検査させてください。」と電話がありました。すぐに出掛けて、血液検査をやりなおしました。そうし
たら正常値は30以下であるべき肝臓の状態を示すGPT/GOTが、なんと1200を超えていて、再検査
では1300を超えていたのです。劇症肝炎の疑いもあり、内科医に即日入院を宣告されたのですが、
子供たちのことが気になって、その日は無理を言ってなんとか家に帰ってきました。家内がベッドで
グッタリと横になっている回りに3人の小さな子供達が寄り添い、心配そうにしていた情景は今でも
ハッキリと私の記憶に残っています。夜になって高熱で苦しそうにしている家内をみて、さすがに家で寝
ているだけではどうしようもないと思い、翌日入院しました。ウィルス性肝炎であろうという担当医の
予想でしたが、A,B,Cどれも確認できず、肝生険でのリンパ球の状態から自己免疫性肝炎と診断されまし
た。「自己免疫性」っていうのは原因不明の病気です。治療法は不明ということです。炎症ならなんでも
抑えるステロイドを大量に使い、とりあえず命は助かりました。お陰様で約1ヶ月半の入院でなんとか
退院だけはすることができました。 ステロイドの副作用のムーンフェイスで、体調は最悪なのに顔だけ
まんまるに太っていました。退院後、近所の人に会うと、家内のふっくらとした顔を見て「元気そう
じゃない!」と声をかけられることもしばしばありましたが、いちいち経過を説明するのが面倒なので
「はい。」と答えていたようです。しかし、退院はできたものの病気の原因はわからないのです。ウィル
スなら抗体やインターフェロンがありますが、自己免疫が原因ではステロイドで炎症を抑える以外に方
法がないのです。炎症という本来生体が持っている防衛機能をすべて抑えてしまうステロイド剤を一生飲
み続けることになるのです。
ちょうどその年は結婚15年目でした。ある日、姉が「健康にいいダイヤモンドがあるから、それを
プレゼントしなさい。」というのです。私は「ダイヤモンドを15年の記念として送るのはいいけど、
『健康に良い!』なんて言う、詐欺はイヤだ。」と、言ったものの、「原因不明」の疾患への言い知れ
ぬ怖さもあり、とりあえず姉の薦めなので、お店に行ってみることにしました。四谷にあるその店は、
お香を焚いて、壁面にサイババの写真が貼ってあるような怪しい店でした。(笑)姉はそこの店員さん
と顔見知りのようで、挨拶をすると「じゃあ、測ってみましょうか」といい、小さなテーブルに向かい
合わせに座りました。店員は大きな電気のテスターみたいなモノを使い、姉の指に電極
を当てて何かを計測し始めました。「ああ、良いですね。整ってますね。それじゃ、奥
様を測ってみましょうか」家内を同じように計測を始めました。「ここはアレルギー、
ここは心臓、ここは内分泌、ここは肺、・・」とブツブツ説明しています。数値をよく
見ていると姉の時は50が出たのに家内は半分以下でした。「これは身体の気が弱って
いる状態を示しているんです。奥様に合うダイヤモンドを探しましょう」と、事務所か
ら石のままのダイヤモンドを持ってきてテスターの回路の途中にある金属板に乗せ、その状態でまた計
測を始めました。すると今まで20とか30だった数値が50まで上がり始めたのです。
私は心の中で「いったいどこでインチキをやっているんだろう」と思って見ていました。どこかにペ
ダルがあるのか、遠隔操作で数字が変化するんだろう??たぶん私が疑いの眼で見ていることを感じた
のでしょう「じゃあ、御主人も測ってみましょうか」。私は最初の4点が正常値でしたが、残りの3つ
は少し高めに出ました。店員はおもむろに自分の指に付けてるダイヤの指輪を外して、回路の中のアルミ
板に乗せ、もう一度計測しはじめました。するとなんと、ビックリ!!全部50に揃ってしまいまし
た。この結果にさすがに驚いてしまい、「アルミの上じゃなくて、僕の指でも良いんですか?」
「どうぞ」
店員は自信たっぷりです。私の指に嵌めてもう一度計測しました。悔しいけど、全部50!!!
「この機械はいったいなんですか?」
「これはEAVといいます。ドイツで開発された機械で、経絡を測って身体の状態を診断できるんです」
なんだかよくわからないけど、結局、家内のダイヤネックレスを注文して帰ってきました。(笑)
家に帰り、インターネットで検索をしました。EAVとは英語でElectroAcupuncture according to
Vollの略で「Dr.Vollによる電気的鍼灸」のことです。ドイツのyahooで「EAV」と検索するといっぱい
ヒットしました。ドイツ語なのでほとんど理解できませんでしたが、セミナーが多数開催されているよ
うでした。日本のyahooで「EAV」と入力すると1件ヒットしまし
た。トランスメディカという会社がアキュプロというEAVを売って
いました。HP上のアキュプロ開発者であるDr.レーバーの講演録を読
んでみました。漢方の鍼灸で使う経絡に基づいていること、それ以
外にも治療ポイントを見つけたこと、1950年にドイツで開発さ
れたこと、ホメオパシーという理論で治療することがわかりまし
た。早速、ダイヤモンド屋で経験した話を書いて、デモンストレー
ションに来てくれるようメールしました。
やってきたのは普通の男の人でした。もっとインチキ臭い人間がやって来るかと思っていたのです
が、全然予想とは違いました。機械を組み立てて、さっそく計測を始めました。本当のEAVの計測ポイ
ントは手と足全部で40ポイントです。このうち「経絡」と呼ばれているのは手が6本、足が6本で左右で
24本です。残り16はDr.Vollが発見した「ポイント」です。彼は医者であると同時に電気工学に精通
していて、中国の鍼灸に興味があったようです。東洋医学では手の経絡は親指が肺経、人差し指が大腸
経、中指が心包(循環器)、薬指が三焦(内分泌)、小指だけに2つ心経と小腸経があります。足の指
には親指が2つで脾経と肝経、人差し指が胃経、中指がなくて、薬指が胆経、小指が腎経、膀胱経で
す。Voll博士が偉いのは、「指1本に2つあるのはおかしい、他の指にも『何か』があるはずだ」と考
え、現代の西洋医学で理解されている臓器や組織を当てはめました。その結果、親指にリンパ、人差し
指に神経、中指にアレルギー、薬指に細胞代謝(ガンなどの異常)という計測点を見つけだしました。
同様に足からも全ての指にポイントを探しだし、全部で40ポイントになりました。
EAVで家内の病気はどういう風に説明できるのでしょう?家内の病気が治るならと思い、かなり無理
をして購入しました。ちょうど良いタイミングで、アキュプロの開発者が日本に来るのでその時に家内
をチェックしてもらうことにしました。8月の暑い日に渋谷で開かれたセミナーで家内は被験者として
参加しました。その結果、意外なことがわかりました。病気の原因の第一番目は、彼女の右上の一番奥
歯に入っているアマルガムと、その歯と噛み合う下の歯のゴールドクラウンが接触するたびに電気が流
れているからであると言われました。開発者のDr.レーバーは歯医者じゃありません。彼は口腔内を見ず
に、アキュプロを操作するだけでアマルガムを言い当てたのです。恥ずかしながら、家内も私も上の奥
歯にアマルガムが入っているなんて意識もしていませんでした。2番目の原因は、保険で通常使う金銀パ
ラジウムで、金パラが入っている部位も口の中を見ずに全部当ててしまいました。
セミナーからの帰り道、電車の中で深く考え込んでしまいました。実は、下の奥歯のクラウンを作っ
た時期と家内が大腸の病気(これも原因不明!)を発症した時期がほぼ一致していたのです。翌日、朝
一番でアマルガムをやり直しました。さらに、口腔内にある金銀パラジウムも順次、全部はずすことに
しました。この治療の効果かどうかはわかりませんが、家内は今でも健在ですし、ステロイドの量は最
小限まで減っています。(2009年にステロイドの服用は止めました)