千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております。
2014.12
中華料理の料理教室に行こうと思ったけど、結局iPhone探しをした話をVol.48に書きました。残念な結果でしたが、料理教室探しはあれで諦めたワケじゃありません。前回の編集後記にちょっと書いたけど、例のフレンチが毎月第二水曜日に料理教室をやっていました。以前は火曜日の昼間だったのが、いつの間にか第二水曜の夜に移動していました。それを私には教えていなかっただけのようです。なぜそれを知ったかというと、トイレにコソッと張り紙がありました。女性客に知らせようという魂胆を不幸にも見つけられたわけです。彼に聞くと「先月(7月)からやってます。」とのこと。「俺知らないよ。」って言うと「加藤さんには内緒です。」って。(笑)仕方ないので、奧さんも連れて、無理矢理参加を承諾させました。
8月13日18:00開始、女性3名、男性2名。参加費5000円。2品作って、それプラスもう1品とデザートが付きます。ワインは別料金。教わって、夕御飯も付いて、ゆっくりできますからお得です。
その日の料理は前菜「チキンの冷製バスケーズ、温玉のせ」と、メイン「牛肉のドーブ煮込み、プロヴァンス風」でした。名前だけだと「なんじゃこれ?」って感じですけど、前菜は鶏肉のバスク風煮込みの冷たくしたものの上にポーチドエッグを載せた料理、メインにはワインで一晩マリネした牛肉を近頃流行のストウブ鍋で3時間ほどオーブンで煮込む料理でした。どちらもプロバンス地方の家庭料理です。ネットで調べるとクックバッドにそれなりの作り方が出ています。改めてそれを見ると別に難しい料理じゃありません。もともと家庭料理ですからね。それをプロが作るとやはりそれなりの作り方になります。野菜類は火の通りが同じになるように非常に丁寧に切ります。家ではポーチドエッグって作りませんが、卵1コでもこういう風に出せば立派なフレンチ。単に茹でるだけのようなポーチドエッグですが、お湯に入れるお酢の量が多くてビックリしました。牛肉の煮込みは前日にワインでマリネして、肉を柔らかくします。マッシュポテトや幅広パスタと合わせるのが一般的なんだそうです。今回はこれまた手間の掛かったマッシュポテト。(笑)
牛肉はフランス料理の中では高級な食材じゃないって、知ってました?1番上等なのはヒツジ(ラム)なんだそうです。その次が豚やニワトリ、カモ等、最後に牛なんです。ジビエ(野生を捕獲して食べる)は別です。当然ですけど、牛と言っても「和牛」じゃありません。その昔、日本のシェフはフランスに行くとき、あちらのシェフに上等な和牛をお土産にしたんだそうです。たぶんA-5ランクでしょう。
この店に行くと毎回違う肉を出されます。今までに出た肉はラム、ヤギ、ハンガリーの「国宝」マンガリッツァ豚、イベリコ豚、その他各種銘柄ブタ、ウサギ、ハト、ほろほろ鳥、カモ、牛肉いろいろ、 イノシシ、エゾ鹿などなど。ホントにいろいろと食材があるんだなあと驚きます。カモやエゾ鹿は天然だったり。洋風コース料理のメインでよく出る「牛ヒレ肉」なんて食べさせてもらったことありません。たぶん、彼に聞けば「そんなのつまらないじゃないですか。」って言うでしょう。(笑)魚は何軒か契約している店が宅急便で適当に送ってくるようです。
料理教室の方は2時間ほど掛けていろいろと調理し、完成品になったものを9時頃から食べます。 遅い夕食はブタになる。 かなりおなか空いた状態で、ワインを飲んでしまい、ベロベロ直前でした。(笑)
料理教室で学んだことは「プロにはプロの料理がある」ってことでした。「フランス家庭料理」と「フランス料理」の違いは大きい。少なくとも彼のレベルのフレンチを家で作ろうとは思いませんし、作ることもできません。でも、またヒマができたらこの料理教室に行ってみようと思っています。
以前にビーフシチューをネタにしたことがあります。(Vol.39)あの時はウチで作っていた「ビーフシチュー」にいろいろと疑問を抱いていました。先日久しぶりに牛テールのシチューを作ってみました。今回は気分的にスッキリして、非常に美味しく食べることができました。牛テールって、牛の尻尾ですから、食材的には最低ランクになりますし、手間もかかるけど、私は大好きです。これからは堂々とこれを「ビーフシチュー」と呼ぶことにします。(笑)
75歳になる加藤サトさんが、ある日電話に出たら「おばあちゃん!車で事故して、金が要るんだ!相手はヤクザっぽい人で、すぐに200万円出せば許してくれるって。おかあさんには言えないし、一生のお願いだから立て替えてくれない?今すぐなら、それで済ましてくれるって。お願いだから、すぐ振り込んでくれる?」
サトさんには孫が一人しかいませんでしたので、その孫だと思い込んで「どこに振り込むんだい?」
「○○銀行の××支店 口座番号は0000000。すぐに振り込んで!!」
かわいい孫の一大事!サトさんは急いで自転車に乗り、駅前の銀行の窓口から指定の口座に200万円振り込みました。営業時間内に振り込みできたかどうか、孫に確認の電話をかけてみて、オレオレ詐欺に引っかかったことに気付きました。・・・
今読むと「日本昔話」みたいで、ずいぶんとレトロな感じがしますね。2003年ごろはこういうユルイ感じでもたくさんの人が欺されました。これは高齢女性の一人暮らしを狙って電話帳から「ウメ」「キク」「すえ」「たえ」などの「おばあちゃん」っぽい名前に手当たり次第に掛けた古典的な「オレオレ詐欺」です。たまたま電話に出たおばあちゃんには本当に孫がいて、それも男の孫が一人だったから、成立した詐欺です。老人が銀行窓口から電信扱いで200万円振り込んでも行員は特に何も言わない時代のお話です。
世の中に「オレオレ詐欺」というモノが認識されたのは2003年ごろからです。その後、急成長していったのは御存知のとおりです。統計的には2004年の被害件数(わかっているだけですけど・・)25667件、被害額約284億円です。数年間で社会問題化して、防護策が講じられました。まずは道具としての携帯電話への規制です。レンタル携帯、プリペイド携帯など本人確認が厳しくなり、同様に振り込まれる受け口としての口座開設が難しくなり、一日の送金限度額が設定されました。さらに個人情報保護法ができました。同窓会名簿やクレジット会社の持つ情報の横流しなどを禁じる法律です。その効果でしょうか、2010年には112億円まで減りましたが、2013年には337億円まで復活しています。
振り込め詐欺も年々進化しています。以前はNTTの個人宅の電話帳で手当たり次第電話していたのが、セレクトされた名簿を「業者」から購入し、電話口の登場人物が複数になる「劇場型」というタイプが登場しました。ストーリーは旦那が電車の中で痴漢をして捕まり、鉄道警察官が事情説明し、その被害者の父親が示談をほのめかすという設定です。
朝の連ドラを見終えて、ゆっくりお茶を飲んでいるところに電話が掛かります。
「もしもし、母さん、昭浩だけど今いいかな?」「いいかなって、非通知設定になってるよ」「いや、それどころじゃなくて、ちょっと電話代わるから。」ここで鉄道警察官の登場。「モシモシ。お電話代わりました。JR総武線の鉄道警察官をしています安倍ともうします。加藤昭浩さんの奥様でいらっしゃいますか?」「いえ、母ですが・・」「あ、お母さまですか。大変失礼しました。落ち着いて聞いて頂きたいのですが、昭浩さんはさきほど車内で女子高生に痴漢行為をしまして、居合わせた鉄道警察によって現行犯逮捕され、今取調中です。」「ええっ?何??」「まさかとお思いになるでしょうが、本人が罪状を認めていますので。本来でしたら所轄の警察に連行して、検察の判断が出るまで何日か留置となります。ですが、お仕事のこともありますしね。実はその被害者の女子高生の親御さんが駅事務所まで来ていて、示談でも大丈夫とおっしゃってます。」・・・・・
このあと被害者の父親が登場して、迫真の演技を披露して、最後に警察官が間にはいり、お金の受け渡しの方法が決まることになります。彼らは事前にリハーサルをくり返し、BGM(駅のホームの音)を使い、警官のめんどくさそうな事務的な口調、父親の娘への感情があふれんばかりに語られ、完全に騙されることになります。
口座振り込み額が絞られたことで、現金の受け渡しにバイク便を使ったり、直接現金を受け取りに行くタイプが登場し、結果的に被害金額が大きくなりました。
近頃バスに乗ると千葉県警の案内で「家族で合言葉決めて、振り込め詐欺を撲滅しましょう。」なんてやっていますが、詐欺グループが合言葉を知っていたらどうするんでしょう?合言葉は知らなくても、話している相手が子供やさらには孫の名前、誕生日、住所、通っている幼稚園名、担任の先生の名前まで知っていたらどうでしょうか?
どれだけ禁止しても個人情報に価値があると思う業者は買おうとします。買ってくれる相手がいるなら、売ろうと思う人も出てくる話で、今年の7月大手教育関連業界であるベネッセから2070万件の個人情報が流失しました。子供を中心に家族までデータ化されているわけですから、今後何十年も使える情報です。子供の名前、生年月日は変わることがありません。携帯番号も変わらないでしょう。数年間は住所、家族構成も変わらない。他のデータと組み合わせると非常に正確なデータが完成します。今後、個人総背番号制になる日が来たら、この情報を握っている組織が怖ろしいほどの力を持つことは容易に想像できます。コンビニでも「○ポイントカードをお持ちですか?」って言われて、1%相当のポイントが欲しいから呈示していますけど、果たして結果的にお得なのかどうか?ビッグデータとして使うならどうしようもないですが、個人データとして集積されると不安です。
振り込め詐欺組織が今一番狙うターゲットは70代女性の単身所帯です。犯人がお金を取りに来る際に警察を呼んでおけば逮捕も可能なんですが、復讐を恐れて、呼ばずに手渡す被害者が多くいる
ようです。こういう弱気な被害者にはさらに何度かアタックするようなので、是非勇気を出して警察に届けてください。
今回「振り込め犯罪結社」鈴木大介著と「職業”振り込め詐欺”」NHKスペシャル取材班の2冊を元に書きました。幸いにして今のところ私の家族に被害者はいません。しかし、2冊を読んでみて「たぶん、自分も騙されるだろうなあ・・。」と思います。さらに言うと自分の子供が犯人側に立つ可能性もあるという事実に驚いています。本の中に出てくる犯人は、普通の家庭に育って、一流の大学を出て一流企業に勤めた20代の男性や現役の大学生です。今の大学生の知り合いで「オレオレ詐欺をやって儲けている人間がいる」ことはそれほど驚くべきことじゃないのだそうです。
「良い大学に入って、良い会社に行き、勝ち組になる」ことを小さい頃から人生の目標と教え込まれて大きくなった子供が、大学受験で失敗したり、希望の会社に入れなかったりして、途中でドロップアウトしたらどうするのでしょう?携帯ゲームと勉強以外の時間を与えられずに大きくなった子供に他の選択肢を探し出す能力があるんでしょうか?上手に次の目標を設定できず、「勝ち組=金儲け」と短絡的に考えているとしたら、オレオレ詐欺は効率よく金儲けできる非常に優れた方法に見えるでしょう。他の犯罪と比べて非常に低い検挙率であることも原因かもしれません。「犯罪はいけないことである」っていう我々の世代なら当たり前と思っていたことが、「警察に捕まらなければOK」になってしまったように感じる、この不安感は非常に深い問題を孕んでいるんじゃないかと思っています。「世の中にはセレブか乞食しかいない。」と語る若者の言葉は怖いです。