千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療 ・メタルフリー治療・矯正治療 ・歯周病治療・インプラントの治療を行っております
2007.10
加藤昭浩
先日、NHKスペシャル「ビューティー・ウォーズ」を見ました。「十和子肌」って知りません でした。一時期、週刊誌に悪く言われていた○島○和子がいつの間にか復活なんですね。でも、 41歳で子供二人産んで、ただ肌が綺麗なだけでそんなに価値があるんでしょうか・・。私には全 く理解できません。それなら60歳で自然に妊娠して出産する女性の方が遙かに立派で凄いと思う んだけど・・・。
アンチエイジング化粧品の話、顔面マッサージの話、とても面白かった
です。この世の女性の願いは「時を止める」だけではもの足りなくて、
「時間を戻す」ことを望んでいます。魔法使いの世界ですね。でも、物語
の挿絵に描かれる魔法使いはどうして全員「ババア」なんでしょう?魔法
が使えるなら、真っ先に自分の容姿を直すと思うんだけど・・・。
テレビ画面に女性のアップが出るたびに私の口から出る言葉は「肌より
先に歯を治せ!」「顔じゃなくて歯のホワイトニングしろ!」。あまり悪
口ばかり言っていると、女性たちの天罰が下りそうなので・・。
番組の中で面白い会社を紹介していました。スキンケア用の原料を10cc単 位で売っているのです。「ビタミンC」「コエンザイムQ10」「胎盤エキス」 「プラチナナノコロイド」「アロエエキス」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」 などなど。ちょっと興味が沸いてしまいました。さっそく注文しましょう。 皆さんは私が石鹸を作っているのは御存知でしょう。それ以外に冬場の乾燥 に備えてクリームを作っています。これに「コエンザイムQ10」とか加えるとなんだ か良さそうですね。化粧水も簡単です。「ラベンダーウォーター」というレシピが 「石鹸」の本の中にあるんです。精製水とラベンダー液とを混ぜるだけなんですけど ね。冬場の保湿が欲しい場合はこれに植物性のグリセリンを足します。これに「Q 10」や「ヒアルロン酸」を加えると良さそうに思えますね。でも、入れても入れなく ても同じだったりして・・・(笑)。そういう実験もできちゃいます。実験に協力し てくれる方を募集するとホントに来ちゃいそうですね・・(笑)。
さらに番組の中で@cosmeというサイトを紹介していました。さっ そく覗いてみると、いやいや面白い。化粧品の分類はこんなにたくさ んあるんだ!と、まずビックリ。「基礎化粧品」「ベースメイク」 「メイクアップ」「フレグランス」「ヘアケア」「ボディケア」「サン ケア」「美容サプリメント」「美容器具」などなど。さらに基礎化粧 品だけでも石鹸、洗顔用品、クレンジング用品、化粧水、乳液、ク リーム、パック、マッサージ・・。すごいです。
テレビでヨーロッパには日本のような「基礎化粧品」なんてほとんど存在しないと言っていま した!?ほんと?それは知らなかった。ニベアがあるのは知ってたけど・・。白人には「対策」 を諦めたくなるほど「シミ、そばかす」がいっぱいあるんでしょうか。日本は黄色人種だから紫 外線のコントロールと「対策」で「まだ」私なら「きれいな素肌」を作り出せると思えるので しょうか。よほど日本人は「きれいな素肌」に価値を見いだしているんですね。シミを塗りつぶ してその上に「メイク」する社会と、綺麗な肌を見せながら「メイク」する社会なんでしょうか ね。あれ??でも、欧米人は歯に関してはホワイトニング、審美治療、歯科矯正などで徹底的に お金を掛けてきれいにしますよね。アメリカは自費100%ですから、無駄な医療費を使うこと はありません。「とりあえず、抜かずにおきましょう。」なんて「医療」は存在しません。それ じゃ、アメリカ女性は「美白、化粧」に関してだけ無頓着なんですか・・?・?・?・・(汗) 日本の美肌ブームは・・無駄なお金と時間を・・・・!!そんな怖いこと、絶対言えない!!!
またまた「食い物」の話で恐縮です。うちの姉は「あんたとババ(母親)は一日中食べ物の話
をしている」と怒ります。たしかに、休みの日は朝から晩まで台所に立っていることがあります
から、一日中「何を食べようか」と考えているかもしれません。
今回は「ローストビーフ」の話です。ホテルのバイキングでメインに出て
くるアレです。ちょっと高級なハレの日のメニューです。高い帽子をかぶっ
た偉そうなシェフが1枚ずつ丁寧に切り分けてくれるというイメージですか
ね。今回のテーマに選んだ理由は、ローストビーフに対する憧れがズーッと
残っていたからです。実は過去に1回だけとっても美味しいローストビーフ
を食べたことがあるんです。それは10年以上前に友人の結婚式のときに帝
国ホテルで食べました。メインにローストビーフが出て、それがとても美味しかったのです。その
結婚式には家内も出席していました。普通、結婚式ではあまりないと思うのですが、その時はお
代わりができたのです。「ローストビーフのお代わりはいかがですか?」と家内のところにも聞き
に来てくれたのに、自分は着物で出かけたからお代わりが食べられなかった、と今でも悔しそう
に言います。その味が忘れられなくて、しばらくして二人で帝国ホテルの夜のバイキングに行きま
した。そこでローストビーフを食べたんですが、「あれー??」残念ながら全く別物でした。見た
だけで肉の感じの違いがわかるほどで、味もぜんぜんでした。それ以来、夫婦とも歳を取ったせ
いか、それほど食べたいと思わなくなってしまい、結局そのままになりました。料理としては
「いつかはやってみたい!」と思ってはいましたが、少なくとも1kgほどの塊が必要だし、高
い肉を使って全部失敗するのもイヤだし・・・。
しかし、先日インターネットのオークションでたまたま「牛肉」のところを眺めていたら、
「A-4和牛サーロイン1kg」が3500円で落札されているわけです。写真ではけっこう美味しそ
うな牛肉です。100g350円ならオーストラリア牛よりも安いわけです。この程度ならちょっと冒
険しようかなと思える金額です。オークションでも「松坂牛、神戸牛、近江牛、米沢牛」などの
銘柄牛は100g5000円以上します。最高額は100g1万円というのもあります。あまりの価格
差に唖然としてしまいます。同じ「和牛サーロイン」でも10倍から30
倍です。いったい、この価格の違いは何なのだろうと沸々と好奇心がわき
上がって来ました。
調べてみるといろいろと面白いことがわかりました。価格の違いにはい
くつかのポイントがあります。まずは、肉牛の種類です。御存知のとおり
「和牛」は高価です。「和牛」という言葉は「肉専用種で、黒毛和種・褐
毛和種・日本短角種・無角和種の4品種とその4品種間の交雑種」のこと
で、日本古来の牛の意味ではありません。この4種類の和牛のほぼ9割が黒毛和牛だそうです。
さらに「銘柄牛」は和牛の中でも特に「ブランド」を持った牛です。日本生まれの牛で「和牛」
じゃない牛は「国産牛」と呼ばれます。肉牛として出荷するために「和牛」と乳牛の交配種もあ
ります。次が性別です。黒毛和牛でメス、そして3年程度で肥育、出荷された銘柄牛が一番高値
をつけます。次が去勢牛です。銘柄牛の去勢牛でサーロインならば1kg1〜2万円です。それな
ら先ほどの1kg3500円の「和牛」はどんな牛かといいますと、メスで出産できなくなったのを
肥育して太らせて屠殺した「黒毛和牛」です。メスの和牛なんですけど、非常に高齢ということ
です。こういう風にいろいろ調べると肉牛の悲しい生活がみえてきます。生まれた段階でメスの方
が喜ばれます。メスは肉牛にもなるし、繁殖用にもなるからです。肉の味はメスの方が上なんだ
そうです。でも、処女だけです。経産牛は味が変わるのだそうです(笑)。一方、オスは悲し
い。オスはある程度育つと去勢されてしまいます。肉牛の繁殖用の精子は冷凍保存されていて、
すべて人工授精です。悲しいです。最後は肉のサシの入り方です。「Aー5」とか書いてあるあれ
です。あれは見た目に判断しますので、経歴、性別は関係ありません。
今の日本の牛肉には個体識別番号がついています。この10桁の数字を入力 するとその牛の過去を知ることができます。種別、性別、出生年、経歴が出 てくるのです。今ではどこのスーパーでもラベルに入力してありますよね。 是非一度パソコンで調べてみてください。「牛の個体識別情報検索サービ ス」で検索できます。スーパーマーケットに文句があるのですが、イトー ヨーカドーもリンコスも私が「この牛は雄ですか雌ですか?」と聞いても誰 も全く知らないんです。肉のグレードは書いてあるからわかるし、サシは見 ればわかります。しかし、雄、雌、去勢、高齢は肉を見ただけではわかりま せん。情報の無駄じゃないですか。そんなことだから、牛肉の全頭検査をや めるなんて話になるんです。世界でも類を見ない、この全頭検査を続けるこ とでBSEから完全に安全な牛肉という証明を手に入れる可能性が出てくると 思います。それがブランドとなり、海外に出荷できるようになるんじゃない でしょうか?実際、日本の料理人がヨーロッパに行くときに持っていくお土産は「和牛」である という話を聞いたことがあります。
ここまで調べてしまうと、もう牛肉なんて食べたくないかと言えば、それとこれとは別です ね。私が美味しいと記憶に残っているローストビーフはサーロインの形だったので、ステーキ用の サーロインを買いました。私が結局どれを買ったかというと、1kg3500円です(笑)。送られ てきたのは冷凍でパックされたA-4レベルの牛肉です。先ほどの「個体検索サービス」で認識番号 を調べてみたら平成4年生まれ、黒毛和牛のメスでした。ですから15 歳ですね。3歳のメスと比べると5倍ですか・・・。 冷蔵庫で半日おいて自然解凍し、脂の厚い部分を薄く削いで、表面に 塩胡椒して、フライパンで表面に焼き色をつけました。薄く削ぎ落とし た脂を横に貼り付けてタコ糸で縛り、肉にニンニクを貼り付けて、天板 にタマネギを厚切りして並べ、にんじんも厚めに切って周りに置きまし た。あとはオーブンで180度50分加熱しました。火の通りの好みはいろいろですが、初めてなん で、ちょっと焼き過ぎぐらいにしました。こんな作業を私はいつやっているのかというと、夕食 後やってるんですね。けっこう台所を占領する時間が長いですからね。にんじんは取り出し、別 のフライパンでタマネギとニンニクと焼き汁とシェリー酒で少し煮 込んで、これをミキサーに掛けてソースにします。
夜中にローストビーフをつまみに、ひとりでワインを飲みます。
「あー、幸せ!」
やはり、和牛の脂肪はおいしい(笑)。でも、これが100gで
2000円もする肉なら、もったいなくてローストビーフにはしません
よね。ローストビーフの材料としては妥当でしょう。実際に作ってみ
ると、これほど簡単な料理はありません。下ごしらえも簡単で、ハ
ムのようにピックル液に漬け込むこともない。表面を焼いて、ただオーブンに
入れて、あとはソースを作るだけです。
私が思うに、「食」には「隠し調味料」があると思います。それは「背徳の
気配」です。見ているだけで「病気」になりそうなサシの入ったカルビを焼肉
で食べる時のドキドキ感ですね。「太る!」とか「コレステロール
が!」とか罪悪感にさいなまれながら食べる、あの感じです。フォア
グラのソテーとか霜降りの和牛のサーロインステーキの脂身とかです
ね。(笑)
私はサントリーの黒烏龍茶のコマーシャルが大好きです。
今放映中のステーキバージョンはまさにこの気分を表しているんじゃないかな。