ニュースレターVol.93 2022年4月発行
皆さん、お元気ですか?
桜も終わり、春休みもおわり、入学式も終わり、そろそろ普通の生活にもどるころでしょう。
お陰様で、かとう歯科も34年目を迎えます。これもひとえに、皆様のおかげです。
開業当初、34年前の「メニュー」と、今の「メニュー」はずいぶんと違うと思います。
当時は矯正治療がゼロ、インプラントもほぼゼロ。
歯周病専門医でしたが、世の中の方が「歯周病」という単語を知りませんでし た。
まだ「歯槽膿漏」。口の中を赤く染めて患者さんに怒られていました。(笑)
翌々年からインプラントを始め、2000年頃から成人の矯正治療をはじめました。
しかし、当時は「抜歯矯正」でした。
上顎が狭くて歯がキレイに並ばないから歯を間引いて並べる。
これでは「見た目」しか良くなりません。
日本よりも20年早くから抜歯矯正が普及しているアメリカでは
「早くほうれい線が出る!」と訴訟になっているとか・・・。
「見た目だけでイイ!」と言っていたのに・・。
「老人の皺なんか知らん!」といいたいことでしょう。
うちは抜かずに矯正治療をする方法(MEAWテクニック)で治療します。
さらには、根源的な原因である「上顎の狭さ」を小学生の頃から治療することで解消できる
「顎顔面矯正」を普及させるべく頑張っています。
まあ、あまりに知られていない治療なので、広報活動にブログを使っています。
多少コロナが落ち着いたら幼稚園に出かけて行こうかと思っています。
あとは、数名集まってくれればZOOMでのセミナーを用意しています。
30分ぐらいのお話の後に、個別相談の時間も作ります。
受付に言っていただくか、メールでもOKです。
ひとこと:「年貢の納め時」時期がハッキリしないのは困りますね。
かとう歯科ではタバコを吸う方の治療はしません。
これは開業して10年ぐらいしてから決めたこと。
まわりに多くの歯医者さんができて、「別にかとう歯科じゃなくてもイイ」という患者さんは
そっちに行ってもらうようにしました。
「禁タバコ」以前から来ていた人はそのまま治療させてもらっていました。
今でも「禁タバコ」を知らずに来た人には応急処置だけはします。
電話予約時点でお話しするように言っているんですけど、時々忘れるらしい。
これはウチが日本歯周病学会の歯周病専門医であることに由来します。
歯周病の原因は「歯周病菌があること」それを除去する「歯磨き」が最大の「治療」。
予防ではありません。その歯周病の「火」に注ぐ「油」が「喫煙習慣」です。
ですから、「タバコを吸う人を治療できない」理由はここにあります。
過去に喫煙を続けていてもインプラント治療をした人もいました。
しかし、ちゃんと着きません。早期に脱落します。
あの和田アキコさんが禁煙したのはインプラントが3回失敗したからという噂があります。
まあ、無理よね。
今回、このコロナ騒動で「年貢を納めた」患者さんがいました。
「コロナワクチンを打つ日から禁煙した!」らしい。
おめでとうございます。
これから良い方へ向かうことは間違いない。
人間の身体の中で、がん細胞は毎日大量に発生し、多くは免疫システムで排除されている。
そのシステムを邪魔するのが「たばこ」。
「肺がん」だけが問題なのではありません。
舌がん、喉頭ガン、食道ガン、胃ガンも直接影響があります。
とにかく全てのガンに悪い。先日、日曜朝の健康番組を見ていたら、ビックリしました。
その日は「心臓」のお話。相談者は二人。その二人とも「喫煙者」。
症状に対してDrは「気を付けること」をアドバイス しまた。
しかし、その中に「禁煙」は登場しませんでした。
「あれ?タバコを吸っていても治療ができるようになったの??」
私の知識が古いのか?と思い、調べてしまいました。
「良かった!間違っていない。」
下のグラフは3つとも国立ガン研究センターのHPから。
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「虚血性心疾患」は「狭心症」のことで、「心筋梗塞」とは別になっています。
ある意味で「同じ病気」と思ってもイイです。
「治療」の第一が「禁煙」です。
データはスゴいですね。男性は「禁煙した」のデータが素晴らしいですね。
「禁煙」した途端に「吸わない」の1.1倍!!ほぼ同じ!!!
でも、下の図2をみると「1本でも吸ったら」アウト(笑)。
![]()
女性に関する説明はなかったんですけど、女性は禁煙してもあまり変わらないのはなぜなんでしょう?
2006年のデータなので「古い」ですけど、その後、喫煙の為害性については
あまりに「当たり前」過ぎて、論文にならないのかもしれません。(笑)

肺がんについては2002年の論文でした。もっと古い。(笑)
肺がんについては有名な結論「吸い始めてからの年数が長いほど、一日の本数が多いほど肺がんになりやすい」。
男性の肺がん発生率は「たばこをやめた人」の中で、
やめてから9年以内では吸わない人に比べて3倍でしたが、
10~19年では1.8倍、20年以上だとタバコを吸わない人とほぼ同じになったそうです。
年貢を納めるのは早い方が良いんですね。
年金掛け金も2年まとめてだと、けっこう安くなるんだよね。
もう関係ないけど。
ひとこと:小児の矯正治療のお薦めの治療開始時期(顎顔面矯正)
6歳女子です。

下のX線の白い線が乳歯、赤い線はこれから生えてくる永久歯です。
まだ生えてきていないけど、間違いなく空間が足りません。
(この少女のレントゲン)

数年後には下のようにガタガタになります。(別の少女です)

乳歯の時は隙間無く並んでいる方がキレイに見えますけど、
上のレントゲン写真のように、歯茎の中には幅で1.5倍ぐらいの永久歯が待っています。
そのまま乳歯が抜けて、空間が足りない場合は斜めに生えてしまいます。
一度生えてしまうとガチャガチャの状態を固定するようにコラーゲン繊維が頑張ります。
その歯並びをキレイに修正するためにはハリガネの矯正が必要になります。
下の連続写真ように前もって空間を用意しておけば、そこに素直に並びます。
空間が余っても、それを閉じることは簡単にできますが、後になって拡げることは難しい。
下の写真は実際にウチで治療した女子です。
お母さんが子供の頃に歯で苦労したので、お嬢さんにはキレイな歯並びを与えたかったようです。
写真は6歳、6歳10ヶ月、8歳、10歳です。6歳になって、下の乳歯が3本抜けて永久歯が2本生えています。
これ以上遅くなると上の永久歯が斜めに生えてきてしまいますので、側方拡大をはじめました。
写真に写っている装置は1種類ですが、これ以外にも多くの装置を使います。
この子は10歳でほぼ完成です。もう1本奥歯が生えるまで経過観察です。
小学校4年生で今後の歯科治療はほぼ不要になりました。あとは親知らずの処理だけです。
鼻呼吸不全症候群から完全にオサラバです。
感染症と生活習慣病以外の病気にかかることはもうないと思います。
もしも、中学受験をするお子さんなら、最高の状態で塾に通えるでしょう。
上顎の拡大をすると脳血流量が2割増えることは科学的に証明されています。
成績も2割アップするか?(笑)上顎の拡大は小学校、中学校ぐらいまでは可能な処置です。
抜歯矯正よりも遙かに健康な治療法です。
